岡山大学と益田市、健康推進に向けた新たな協定を締結
2023年5月27日、岡山大学と島根県益田市は新たに「第2次益田市スマート・ヘルスケア推進事業に関する協定書」を締結しました。この協定は、地域の健康課題である脳卒中の発症を予防することを目的としています。具体的には、デジタル技術を用いた血圧管理を通じて市民の健康をサポートします。
デジタル技術の活用
これまで岡山大学は令和2年に初めて益田市と協定を結び、市民が自宅で使用する血圧計から得られたデータを基に健康管理の研究を進めてきました。今回は、さらに公益社団法人益田市医師会が参加し、三者による連携を強化する運びとなりました。これにより、長期的かつ継続的にデータを収集し、分析を進めていく方向性が示されています。
健康増進の重要性
協定の締結式に参加した那須保友学長は、「デジタルの力で地方が主役となる『デジタル田園都市国家構想』に大学を挙げて取り組んでいる」と述べ、この研究成果が益田市だけでなく、日本全体の医療に資するものであることを強調しました。また、岡山大学が有する歴史的背景—秦佐八郎博士の故郷である益田市との関係についても触れ、地域の健康増進に寄与したいとの意欲を示しました。
先人の理念を受け継ぐ
秦佐八郎博士は、1895年に岡山大学医学部の前身である岡山第三高等学校医学部を卒業し、化学療法薬の開発に成功した偉人です。那須学長は、同博士の卓越した研究の精神を受け継ぎ、岡山大学が地域の中核大学として貢献する姿勢を明確にしました。
この協定に基づく取り組みは、現代の医療問題を解決するための先駆的なモデルとなることが期待されています。
地域医療の未来
益田市の健康推進に向けた新たな協定によって、岡山大学は主導的な役割を果たし、地域住民の健康の向上につながる数々の施策を打ち出していく予定です。市民の声を反映しながら、デジタル技術を活用した新しい健康管理の仕組みがどのように機能し、地域医療がどのように進化していくのか注目が集まります。
岡山大学のこの新しい取り組みが、少しでも益田市の未来に明るい光をもたらすことを願っています。地域と共に成長し、発展することを目指す岡山大学に、これからも期待が寄せられます。