株式会社アマダの新型3次元レーザシステム「ALCIS-1008e」が業界を革新

株式会社アマダの3次元レーザ統合システム「ALCIS-1008e」

株式会社アマダは、革新的な3次元レーザ統合システム「ALCIS-1008e」の受注を2025年11月より開始しました。このシステムは、ブルーレーザ発振器とスキャナーヘッドが搭載されており、切断から溶接、積層造形までを1台のマシンで行える優れた性能を誇ります。

ALCIS-1008eの特長

「ALCIS-1008e」には、主に以下の特徴があります。1つ目は、4kWの高出力ブルーレーザ発振器が搭載されていることで、高速かつ精密な加工が可能になる点です。このブルーレーザは、波長が約450nmと短いため、銅での吸収率が非常に高く、瞬時に溶融することができます。その結果、加工時のスパッタを抑えながら、高い品質での処理が実現できるのです。

2つ目は、3軸直交駆動による加工の精度です。スキャナーヘッドに傾斜軸を搭載し、オプションの2軸ポジショナーテーブルを使用すれば、複雑な形状の加工にも柔軟に対応できます。また、新しく開発された「オンザフライ加工」により、通常のスキャナー加工に比べて約3倍の生産性向上が期待できます。

操作性と自動化の向上

今回のシステムは、「簡単操作」と「段取りレス」を実現するために、高度なソフトウエアとセンシング技術が用いられています。新しいCAD/CAMソフトウエア「VPSS 4ie MMWELD」を採用することで、ティーチングによるプログラム作成の手間を省き、オフラインでのプログラム作成が可能となりました。また、オプションで搭載できる「溶接位置センシング」により、ワーク（EV用モーター）の座標情報を自動的に算出します。これにより、加工不良の温床となる位置ずれや隙間を大きく減少させることができ、ユーザーはより簡単に高品質な加工を実現できます。

不良流出ゼロを目指すモニタリング技術

さらに、アマダの「MM-L400A」というモニタリング装置がオプションで搭載可能です。この装置は、溶接部で発生する光の変化を感知することで、即座に溶接の異常を判定します。これにより、加工中の溶接品質をリアルタイムで可視化でき、製品のトレーサビリティも確保され、不良品の流出を防ぐことができるのです。

今後の展望

アマダは、近年のe-Mobilityなどのトレンドを背景に新しい工法の創造に取り組んでいます。「ALCIS」のシリーズ展開を通じて、製造業界における価値創造を促進し、よりサステナブルな製品・サービスへのニーズに応えていく所存です。

高生産性を実現し、異常検知機能を備えた「ALCIS-1008e」は、新たなモノづくりの時代を迎えるヒントとなることでしょう。今後の展開に注目です。