三菱重工エンジン、水素エンジン発電セットの実証運転成功
三菱重工グループに属する三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社(MHIET)は、相模原工場で水素100%燃料を使用した500kWクラスの水素専焼エンジン発電セットの実証試験に成功しました。この重要な成果により、環境に優しいエネルギーの実現へと一歩近づきました。
実証試験の詳細
実証設備では、自社設計・製造の水素専焼エンジンを搭載した発電セットが使用されています。このエンジンは、すでに安定した燃焼技術を確立している単気筒エンジンではなく、実際の製品を想定したもので、6気筒構造を持ち、500kWの定格出力を達成しています。試験では、エンジンの起動から発電、そして停止するまでの一連の動作が水素100%燃料で安定して行われたことが確認されました。
MHIETはエンジン、発電機、補器類を含む全システムの検証を行い、異常時における保護機能も有効に機能していることを確認しました。これは、この技術が実用化に向けて確かな基盤を持つことを意味します。
水素エンジンと環境への影響
水素エンジンは、低炭素社会の実現に向けて重要な役割を担っています。水素を燃料とすることにより、燃焼によるCO2排出が無くなり、分散型電源の脱炭素化に貢献できます。MHIETは、製品化に向けたプロセスを加速すると同時に、水素利用の拡大を目指しています。
グリーン水素の利用
実証試験では、山梨県で生成されたグリーン水素を使用しています。この水素は、再生可能エネルギーの余剰電力を活用して製造され、製造過程でのCO2排出が無いという特長があります。この取り組みは、三菱重工が2040年にネットゼロを目指す「MISSION NET ZERO」戦略の一環です。
未来への期待
三菱重工エンジンの水素エンジン技術は、持続可能なエネルギーの社会実現に向けての重要なステップとされています。この実証試験の成功を踏まえ、今後さらなる信頼性評価や安全性調査を行い、迅速に市場投入できるよう取り組んでいく所存です。水素利用の拡大が、より良い未来への扉を開くことを期待したいものです。さらなる発展に目が離せません。