最新無線LAN規格Wi-Fi 7向けOTAテストソリューションの進化

最新のOTAテストソリューションの進展

アンリツ株式会社は、スペインのEMITE社との共同開発により、最新の無線LAN規格であるWi-Fi 7に対応したOTA（Over-The-Air）テストソリューションを発表しました。この新しいテストシステムは、2x2 MIMO（Multiple Input Multiple Output）機器向けに特化されており、正確で再現性の高いテストを実現します。本記事では、Wi-Fi 7の魅力と併せて、この新技術の特徴やその影響について詳しく紹介します。

Wi-Fi 7とは何か？

Wi-Fi 7（IEEE 802.11be）は、現在普及しているWi-Fi 6や6Eに続く次世代規格です。この新しい規格は、さらに高速な通信が可能で、4Kを超える超高解像度のビデオストリーミングや、ARやVRといった先進的なアプリケーションの実現を可能にします。通信速度や効率が高まることで、家庭やビジネスのワイヤレス環境が大きく進化することが期待されています。

OTAテストの重要性

OTAテストは、機器が無線通信を行う際に、周囲の環境や電波の影響を考慮し、信号の劣化を抑える手法です。MIMO技術では複数のアンテナを使用することでデータの伝送効率を向上させますが、テストにおいてはその再現性を確保することが非常に重要です。アンリツはこれを実現するため、同社の無線LAN測定器MT8862AとEMITE社の特別に設計された試験チャンバーを組み合わせています。

新しいテストソリューションの特徴

この新しいOTAテストシステムでは、MT8862AがWi-Fi 7デバイスに対して、総合放射電力（TRP）や総合等方向受信感度（TIS）の性能を評価するための環境を提供します。これにより、製品開発者は無改造の状態でテストを行うことができ、信頼性の高いデータを得ることができます。

EMITE社のR&D部門のトップであるMiguel A. Garcia-Fernandez博士は、両社の協力により「次世代無線機器を正確かつ再現性高く、包括的にテストすることができる」と評価しています。この取り組みは、技術革新を通じて顧客により良いサービスを提供する姿勢を強調しています。

アンリツの先進的な取り組み

アンリツは、顧客満足度向上に向けて、今後もグローバルな企業と協力しながら最先端のソリューションを提供し続ける意欲を持っています。特に、Wi-Fi 7への対応は、彼らのテクノロジーが今後の無線通信においてどのように進化するのかを示すものです。

EMITE社の役割とビジョン

EMITE社は、無線通信のOTA試験システムを設計・開発・販売するハイテク企業であり、25ヵ国にディストリビューターを持っています。彼らの技術は、通信事業者や試験機関など、広範な分野にわたって利用されており、業界のスタンダードを作り出しています。

最後に

この新しいOTAテストソリューションは、次世代の無線通信の発展に向けた重要な一歩となります。Wi-Fi 7の性能を最大限に引き出し、企業のワイヤレスエコシステムにおける信頼性と効率を高めることで、さらなる技術革新を促進することが期待されています。最新技術に触れ、未来の通信環境を切り開くこの取り組みに注目です。