NECとメタップスが手を組み自治体クラウド管理を革新する新サービス開始

NECとメタップスの業務提携によるクラウドコスト管理の新時代

日本電気株式会社（NEC）と株式会社メタップスホールディングスがこのたび業務提携を結び、自治体向けにAWSコスト管理ツール「srest」の提供を開始しました。これにより、全国の自治体のクラウドコスト管理が大幅に改善されることが期待されています。

提携の背景

自治体業務のDX（デジタルトランスフォーメーション）を推進するにあたり、2026年3月までに地方公共団体情報システムの標準化が求められています。これに伴い、各自治体ではガバメントクラウドへの移行を進めていますが、その一方で、クラウド利用料の高騰やコスト管理の難しさが浮上しています。特に、共同利用方式で運用されるガバメントクラウドにおいては、自治体自身ではクラウドの利用料の詳細を把握することができず、運用を委託している事業者に確認する必要があります。このような課題に対し、NECは長年の経験をもとに、自治体の運用管理をトータルで支援するサービスを提供することに注力しています。

「srest」の機能と利点

メタップスが提供する「srest」は、AWSコスト管理に特化したツールであり、複雑な請求データを自動的に分析・可視化することが特徴です。これにより、自治体が基幹業務システムにおけるクラウドコストの内訳を正確に把握できるようになります。具体的には、日次での利用料の内訳確認が可能となり、自治体職員の事務負荷が軽減され、業務効率が向上します。また、職員がクラウド利用に不慣れでも扱いやすい設計が施されています。

さらに、srestの可視化機能により、どのクラウドサービスがコスト増加の原因となっているのかが一目で把握できるようになります。これに加え、設定した予算を超過した際のアラート機能や、コストの異常変動を自動的に検知する仕組みも整えており、予算の有効活用が期待されています。

NECの目指す自治体の業務最適化

NECは、自治体向けの基幹業務システムを提供するだけでなく、その運用管理やクラウド利用の最適化支援も視野に入れています。今回の業務提携は、ガバメントクラウドのコスト課題を解決するための重要なステップであり、自治体経営の効率化に貢献することを目指しています。

加えて、NECとメタップスは今後さらなる機能拡張や新サービスの開発に取り組む予定であり、共同利用方式によるシステムの普及に加え、独自方式を選ぶ自治体へのsrestの提供も視野に入れています。これにより、全国の自治体を支援し、DXの推進を加速することが期待されます。

講じられた新たな取り組み

この度の業務提携で得られる効果は多岐にわたり、正確なコスト把握により請求や支払いの業務が効率化される他、継続的なコスト最適化も実現されます。自治体のコスト構造を詳細に理解し、適正なクラウド利用料を提案することで、運営の透明性を高めることができるのです。

このように、NECとメタップスホールディングスの提携は、自治体におけるクラウド管理の新しいモデルを提供します。これにより、自治体はよりスムーズな運営を実現し、地域におけるデジタル化の波に乗ることができるでしょう。今後の展開から目が離せません。