ポーラ化成工業、小林研究員が国際的学術賞受賞
神奈川県横浜市に本社を置くポーラ化成工業の小林一貴研究員が、国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)の専門誌「IFSCC Magazine」において、2026年度「Henry Maso Award」を受賞しました。この栄誉ある賞は、直近2年間に発表された中で特に優れた論文を執筆した40歳以下の著者に送られるものです。
受賞対象の研究について
小林研究員の受賞論文では、洗顔料に含まれる成分が肌に残ることで敏感肌の人々にとって不快な刺激の原因となる問題に焦点を当てました。ポーラ化成工業では、肌に残らない究極の洗浄成分を模索し、その答えとして「空気」が選ばれました。特に、目に見えないほど微細な気泡、いわゆる「ウルトラファインバブル(UFB)」に着目し、肌に優しい化粧品の基盤技術を確立しました。
この研究は、2024年10月に開催される第34回IFSCC世界大会でのポスター発表部門にて、優秀ポスターTop10にも選出されています。従来の化学技術に依存せず、新たな物理的視点での微細気泡処理技術の開発は、化粧品業界に新たな地平をもたらしています。
論文タイトル
『刺激性の化学物質を皮膚に残さない、気体を活用した独自の洗浄技術 “ウルトラファインバブルは未来の乳化技術になりえるか?”』
著者
小林研究員をはじめ、増田孝明、大久保堅三郎、秦野衛、早崎拓登、仁王厚志の各研究員と慶応義塾大学の寺坂宏一教授が共同で執筆しました。
論文の要点
小林研究員の論文では、ノン刺激性のUFBを化粧品に安定的に配合するための技術が紹介されています。パッチテストにより刺激がないことが確認された結果、肌に優しい洗浄用化粧品の実現が期待できます。また、UFBの新たな機能に関する研究も進化を遂げており、化粧品成分の浸透促進や、気体を用いた乳化法などの新しいアプローチが提案されています。このように、UFBには化粧品応用において新しい可能性が潜んでいることが示されています。
今後の展開
ポーラ・オルビスグループでは、UFBを用いた世界初の化粧品や関連サービスの開発を進めており、さらなる技術革新に努めています。ポーラ化成工業は、肌に新感触を与え、内部への成分の届け方を革新するための研究を継続しており、その成果は世界で評価されています。
小林研究員は、「名誉ある賞を頂けたことを非常に光栄に思っています。この受賞は、研究チームとの議論の成果です。今後も新しい技術で人々の肌の悩みに応えていくため、努力を続けます」とコメントしました。
IFSCCおよびHenry Maso Awardについて
IFSCCは、世界各国の化粧品技術者や研究者が集う国際的な学術機関です。「Henry Maso Award」は、最も優れた論文に贈られる賞で、受賞者は次回のIFSCC学術大会に招待され、発表の機会が与えられます。
今回の受賞は、小林研究員の将来のキャリアにさらなる影響を与え、化粧品業界全体に新しい風をもたらすことを期待させます。