極細線の加工を革新する13軸制御コイリングマシン「WH-2A」
株式会社アマダプレスシステムが、極小コイリングの高速かつ高精度な加工を実現する新たな製品「WH-2A」の販売を開始しました。このコイリングマシンは、押しばねを中心に設計されたばね成形機で、特にテーパー形状の変形押しばねをはじめとする様々な形状の成形が可能です。
医療用ガイドワイヤに最適な精度
「WH-2A」には、一般的な極小押しばねに加えて、コイル外径や初張力を精密にコントロールできる機構が搭載されています。具体的には、2ポイントコイリング機構の4軸と初張力機構の2軸が使用され、これにより医療機器として求められる高い精度を実現しています。さらには、ガイドワイヤの成形に必要な周辺装置もオプションで提供されています。
自動化と効率の追求
近年、製造現場では多様な課題が浮き彫りとなっています。少子高齢化による人手不足や熟練技能者の引退が影響を及ぼし、作業の自動化や段取りの簡略化が求められています。このようなニーズに応えるべく、「WH-2A」は独自に開発されたばね成形専用プログラム「MNO2」により、プログラム作成の容易さや情報の見える化を実現しました。再現性が高く、段取り時間の短縮を可能にすることで、生産効率を向上させています。
先進的な技術を搭載
「WH-2A」は、高速・高精度加工を実現するため、2連フィードローラーを採用しました。このことによりワイヤに掛かるフィード圧の負荷を軽減し、安定したワイヤ送りが得られます。さらに、分解能の高いサーボモーターによる精密な動作制御が実現されています。標準装備の画像計測システム「ZN-1」により、コイル外径や自由長を瞬時に測定・分別することが可能です。見やすい表やグラフを用いて加工状態を表示し、各軸の修正も容易に行えます。
段取りの簡素化
このマシンは、ロータリーカットとストレートカットを偏心移動のみで操作できるため、左巻きと右巻きの切り替えもプログラムによりスムーズに行えます。これにより、スライドの取り外しにかかる時間を削減し、大幅な生産性向上が期待できます。
操作性の向上
「MNO2」によるばね成形機専用プログラムは、各軸の動作状況や入力・出力が直感的に把握できる設計になっており、ナビゲーションシステムとタッチパネルの採用により、操作性も飛躍的に向上しました。加えて、IoT技術を活用したスマートフォンやPCでのマシン稼働状況の監視、予防保全機能によって定期的なメンテナンスが実現し、さらなる生産効率の向上に貢献します。
省スペース化を実現
マシン後部には、小型自動線台「MK-1」を搭載することができ、設置面積の省スペース化も可能です。13軸を搭載しているにもかかわらず、5軸制御による極細線用1ポイントコイリングマシン「SF-1A」と同等のサイズを実現しており、狭い工場内でも設置が容易です。
製品情報と販売について
「WH-2A」の具体的な販売開始日は2025年6月を予定しており、年間販売目標は12台です。販売価格は12,000千円(税別)です。
「WH-2A」の詳細については、
こちらの公式サイトで確認できます。また、マシンの加工の様子は
こちらの動画でご覧いただけます。
新たな技術が製造業に革新をもたらす「WH-2A」。モノづくりの未来に向けて、その動向に注目です。