岡山大学がウクライナ大学と実施した国際バーチャル交流
国立大学法人岡山大学は、ウクライナのキーウ工科大学との国際バーチャル交流プログラム「Peace Through Virtual Exchange」を開催しました。この交流は、持続可能な開発目標(SDGs)に基づくものであり、特に教育の重要性や平和の構築をテーマにしています。
企画を主導したのは、学術研究院共通教育・グローバル領域のSusan Meiki講師とTim Cleminson准教授。彼らは、SDGs目標の4.7「持続可能な開発のための教育」と16「平和と公正をすべての人に」に貢献することを目指して、学生たちの教育に携わっています。
このプログラムには、文学部、経済学部、薬学部、グローバル・ディスカバリー・プログラムの20名の学生が参加しました。交流の主なテーマは「対立的な言語の削減と平和構築」であり、学生たちはニュースにおける言語の使い方が対立や偏見に与える影響を考える機会を得ました。
参加者は国際的な混成チームを形成し、実際に対立的なニュース記事を中立的な言葉に書き換えるプロジェクトに取り組みました。その過程で、言葉が持つ力を実感し、平和に対する意識を高めました。特に6月4日に行われた第2回ワークショップでは、ウクライナで発生している空爆の影響で、防空壕から参加せざるを得なかった学生の存在が、参加者に平和の重要性を改めて認識させることとなりました。
ミャンマー出身の学生が、母国の報道の現状について共有する場面もあり、彼らにとってこの交流がどれほど貴重なものであったかを感じさせる出来事となりました。地域を超えた人々が共感し合うことが、平和の礎となることがこのプログラムを通じて証明されたのです。
今後岡山大学は、ブラジルのマリンガ州立大学からの学生参加も計画しており、プログラムの国際的な広がりをさらに推進していく意向を示しています。「地域中核・特色ある研究大学」である岡山大学は、引き続き国際的な協力を重要視し、地域や世界の持続的な発展に貢献していく取組みに努めていきます。
学生たちの意欲的な活動を通じて、岡山大学が持つ教育の力が平和の構築に寄与することを期待し、多くの人々の共感を得られることを願っています。これからの国際交流が、より多くの人々に平和の重要性を伝える機会となることが期待されています。