持続可能なブリ養殖の新たな試み
株式会社マリンバースが展開するブリ人工種苗プロジェクトは、日本の水産業に革命をもたらそうとしています。この取り組みは、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)と株式会社拓洋の共同出資によって設立された会社によるもので、2025年の初出荷を目指しています。
背景
近年、ブリは日本の養殖業において人気のある魚種ですが、従来の方法では天然に依存するため、その供給量は環境に左右されやすいのが現実です。特に、春から初夏にかけての産卵期には、天然種苗の入手が困難になることが多く、さらに地球温暖化による海洋環境の変化が増え、この問題はますます深刻になっています。
株式会社マリンバースは、このような課題に直面しながら、天然資源の保護と安定した水産資源の確保を目指し、ブリの完全養殖プロジェクトを開始しました。当社はまず、人工的な環境でブリの人工種苗を培養し、その成長を観察することからスタートしました。
成育状況
最近の報告によりますと、マリンバースが開発したブリの人工種苗は2025年の初夏の高水温時期においても順調に成育しているとのことです。このことは、マリンバースが目指している完全養殖の一環として、極めて重要な成果です。この種苗は、養殖業者に対し取り扱いが可能となり、将来的にはF&LCが展開する「スシロー」での販売が計画されています。
完全養殖の実現に向けて
マリンバースの取り組みは、ただの養殖に留まりません。完全養殖を実現することで、従来の天然資源の供給に依存することなく、安定的に魚を育てるシステムを確立しようとしています。これにより、持続可能な方法での水産物の提供を目指します。魚の成育過程を細かく管理し、飼料の選定にも工夫を重ねることで、消費者に安定した品質のブリを提供できる点が特に評価されています。
マリンバースの今後
マリンバースは、2022年の設立以来、人工種苗の研究と販売を行ってきましたが、これからも美味しい食材を顧客にお届けするため、持続的な養殖の方針を進めていきます。すでに多くの養殖業者とのパートナーシップを構築しており、今後はさらに多くの協力者との連携も模索しているとのことです。
会社概要
株式会社マリンバースは、2022年に設立され、地元熊本を拠点に養殖に関する新たな技術や手法を開発しています。マダイやクロマグロの養殖に必要な技術も持ち合わせており、多様な水産資源の安定供給を志向しています。
最後に
マリンバースの取り組みは、私たちの食卓に新たな未来をもたらす可能性を秘めています。天然資源の枯渇が懸念される中、同社の完全養殖プロジェクトは、安全で美味しいブリを安定的に提供するための重要な一歩です。今後の進展に期待が高まります。