新しいプラスチック分析デバイス「ピンポイントフラッシュヒーター」
神奈川県藤沢市に拠点を置く株式会社バイオクロマトと国立研究開発法人産業技術総合研究所が共同で開発した「ピンポイントフラッシュヒーター」が、プラスチック中の添加剤を瞬時に分析する新しい手法を提供します。このデバイスは、6月3日から販売が開始され、その効果的な機能が注目を集めています。
プラスチック添加剤の分析の課題
プラスチック資源循環促進法や欧州のPPWR・CBAMといった国際的な規制の影響で、再生プラスチックの利用は社会的な責務となっています。しかし、再生プラスチックにおいては、添加剤の組成が曖昧であり、品質にバラつきが生じていることが、再生材採用の障壁となっているのです。これを解決するために、ロット単位での迅速かつ簡便な分析が求められています。
新技術の特長と機能
本デバイスは、近接コロナ放電イオン化質量分析計を組み合わせて使用。まず、プラスチックサンプルの表面に約300〜400℃の加熱ニードルを瞬時に接触させ、熱脱着を行います。この過程で揮発した成分を、独自のイオン化技術を駆使して、前処理なしで質量分析にかけることができます。
従来の方法では、前処理が煩雑で、結果が出るまでに時間がかかるケースが多かったですが、この新デバイスは、1検体あたり1分以内で結果を得ることが可能です。操作も簡便で、分析対象の表面を指定するだけでよいため、現場での迅速な対応が実現します。
社会的意義と対象市場
再生プラスチック市場は今後ますます拡大することが予想されていますが、その成長には信頼性のある分析インフラが必須です。本デバイスは、再生プラスチック原料メーカーや樹脂・成形加工業者をはじめ、大学や公設試験研究機関、分析受託会社などを主要なターゲットとしています。
将来への展望
バイオクロマトは、今後3年間で100台の販売を目指しており、2027年度には20台の販売を見込んでいます。また、6月10日にパシフィコ横浜で開催される第74回質量分析総合討論会では、製品と関連技術が展示される予定です。これにより、多くの参加者が新しい分析技術の実力を目の当たりにすることになるでしょう。
まとめ
「ピンポイントフラッシュヒーター」は、プラスチック添加剤の迅速な分析を可能にする画期的なデバイスです。この革新技術が、サーキュラーエコノミー時代におけるプラスチック利用の改善に貢献することが期待されています。今後の展開に目が離せません。