株式会社シーイーシー(CEC)は、神奈川県厚木市に本拠を置くソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)と新たな協業を発表しました。この協業は、SSSが提供するエッジAIセンシングプラットフォーム『AITRIOS』とシーイーシーの物流ICTソリューション『LogiPull』を結び付け、物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目的としています。
協業の第一歩
この協業の初の成果として、9月4日から『LogiPull』と『AITRIOS』を融合させたバース管理システムが提供されることになりました。このシステムにより、トラックの荷待ちや荷役作業時間を自動的に記録することが可能となります。特に、物流業界では、荷待ちや荷役作業の時間を原則2時間以内に制限するという新たな規制が導入されるため、こうしたソリューションの必要性は非常に高まっています。
高度な効率化
新しいバース管理システムは、トラックの到着から退場までの一連の作業を可視化し、荷役作業の実績をリアルタイムで記録します。これにより、手動での入力作業を減らし、人為的なミスを防ぐことで、ドライバーの無駄な待機時間を短縮し、業務全体の効率化を図ることができます。また、このシステムは規模に応じてカスタマイズが可能であり、中小規模から大規模な物流企業まで対応できる柔軟性を持たせています。
2030年に向けた長期的ビジョン
シーイーシーは、2030年までにこのバース管理システムを通じて30億円の売上を目指す意向を示しています。物流業界のデジタル化は急速に進んでおり、シーイーシーはこの流れに乗る形でレベルアップを図っています。特に、今後適用される時間外労働の上限規制により、業界全体が成長するためには高性能なテクノロジーが必要です。シーイーシーとSSSの協業によって、より安全で効率的な物流環境が実現されることが期待されます。
共同プロモーションと展示会出展
シーイーシーとSSSは、マーケティング面でも連携を強化する意向を持っています。市場調査や分析、プロモーションの分野で協力し、次世代の物流システムの普及を図る予定です。また、両社は2025年9月10日から12日に東京ビッグサイトで開催される『国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO』に出展し、実機デモも行います。訪問者は、『LogiPull』と『AITRIOS』の連携による新しいバース管理システムの実際の動作を目の当たりにすることができます。
将来展望
今後もCECとSSSは、製造DXを推進するための新たなソリューションの開発を進める方針であり、物流だけでなく製造業など他の分野への展開にも期待が寄せられています。多様な業界に対して、安心して利用できる社会の実現に向けた取り組みも進めていくとのことです。
この協業は、物流業界の効率化とデジタル化をリードする重要なステップとなりそうです。今後の動向に注目です。