ヴァレオとアンリツ、次世代車両向けに新たなテスト環境
自動車業界の変革が進む中、フランスに本社を置くテクノロジー企業ヴァレオと、神奈川県厚木市に本社を構えるアンリツ株式会社が、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)の実現に向けた新たな仮想検証環境を共同で開発したことが発表されました。この取り組みは、急速に進化する車載ソフトウェア・ディファインド・アーキテクチャに対応するために欠かせないものです。
自動車業界の急速な変化
現在、自動車業界はハードウェアベースの検証から、これまでになかったソフトウェア中心のアーキテクチャへの移行を進めています。これにより、車両はクラウドインフラに接続され、顧客に対して持続的な価値を提供することが可能になります。しかし、この変化は新しいテストパラメータの導入が必要であり、従来の手法では対応が難しくなっています。
従来、デザインエンジニアは様々な条件を想定したテスト環境を構築していましたが、そのプロセスは手間がかかり、コストがかさむものでした。しかし、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の推進により、迅速で自動化された検証手法が求められています。
シミュレーションの革新
アンリツは、指導的な車載コネクティビティ試験の企業としての経験を生かし、In-the-Loop Simulatorに現実世界で発生するエッジケースを再現可能な仮想エンジンを統合しました。これにより、複数の通信事業者にまたがるマルチネットワーク環境や、車両間・道路と車両間の通信(V2N/V2X)をデジタルツインとしてクラウドやローカル環境に構築することが可能となります。
ヴァレオのCTOであるGilles Mabire氏は、テレマティクス・ユニットは新時代の戦略デバイスであり、動作の複雑化と開発サイクルの圧縮が迫られていることを指摘。仮想テレマティクス・ユニットと仮想セルラーネットワークの統合は、これらの挑戦に立ち向かうための鍵となると述べています。
アンリツの取り組み
一方、アンリツのIoTテストソリューション部門の小川幸治部長は、車載システムの運用において現実の条件を考慮したソフトウェアの実装が必要不可欠であると強調しています。フィールドからラボまで、統一されたツールチェーンでこの課題に取り組むことで、自動車メーカーは車両システムからバックエンドまで、完全に仮想化された環境でエンドツーエンドの検証が可能となります。
MWC2026での発表
この新しい検証環境は、2026年3月2日から5日までスペイン・バルセロナで開催されるMWC2026で初めてデモされる予定です。業界の注目を集めるこのイベントで、ヴァレオとアンリツの連携による成果が紹介されることでしょう。この技術革新が、自動車業界に与える影響は計り知れません。
ヴァレオとアンリツの役割
ヴァレオは、すべての自動車メーカーと新たなモビリティプレイヤーに向けて、持続可能でスマートなモビリティを実現するためのイノベーションを進めています。2030年代には、215億ユーロの売上が見込まれるなど、急成長を続ける企業です。一方のアンリツも、フィールド走行試験からラボでのシミュレーションに至るまで、総合的なソリューションを提供し、車載コネクティビティの品質を引き上げるに注力しています。
今後、彼らの技術がどのように進化し、自動車業界を変革していくのか、目が離せません。