BCP策定の現状
2026-09-09 11:07:12

SaaS企業のBCP策定における課題と対策を探る調査結果

SaaS企業のBCP策定における課題と対策を探る調査結果



株式会社ISOプロが行った「SaaS企業におけるシステム停止リスクと事業継続」に関する調査が明らかにしたのは、SaaS企業がシステム停止という重大なリスクに直面していることです。調査対象となったのは、BtoB向けにSaaSやクラウドサービスを提供している企業の経営者や役員、そしてシステム運用・インフラ責任者を含む1,021人です。

システム停止リスクとその影響


近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、SaaSやクラウドツールは企業活動に欠かせないインフラとなっています。その一方で、自然災害やサイバー攻撃といった脅威が増発する中、顧客企業の業務停止に繋がるリスクが増加しています。実際、この調査では、システム停止の要因として58.6%がサイバー攻撃を挙げ、次いで50.1%が地震や津波といった自然災害、43.5%が気象災害を挙げています。

企業としては、顧客への業務停止による損害賠償請求(48.5%)や、信用失墜(43.8%)、SLA(稼働率保証)違反によるペナルティ(42.5%)といった事業への影響が大きな懸念材料となっています。

ISO27001取得の重要性とBCP策定の遅れ


調査によれば、ISO27001を取得あるいは準備中の企業は約80%に達しますが、BCPが策定済みである企業は45%にとどまっています。これには主にリソース不足や専門知識の欠如が影響しています。BCPの目的は、自然災害やサイバー攻撃といった有事に対して、業務を中断せずに迅速に復旧させるためのものですが、その策定が遅れています。

BCP策定の動機


BCPを策定する動機としては、SLA違反や信用失墜リスクの回避が51.6%で最多でした。このことから、BtoB SaaS企業においては、自社のサービス停止が顧客の業務に直結することを十分に理解していることがわかります。顧客からの要請に応じた信頼性の向上も重要な要素として挙げられました。

BCP策定の課題


BCPが策定済みまたは策定中の企業の大半が、有事の際の組織体制に何らかの不安を抱えていると回答しています。特に、災害時の顧客サポートを維持することや人的リソースの確保に課題が浮き彫りになりました。また、BCPが形骸化しないようにするための定期的な訓練や更新の必要性も指摘されています。

移行への道


SaaS企業が実効性のあるBCPを構築するためには、問題が明確になったことで、自社の技術的な対策だけでなく、組織全体の運用体制の見直しが求められます。国際規格である「ISO22301」を導入することや外部の専門家の支援を受けることで、属人化の問題を解消する手助けになるでしょう。

まとめ


今回の調査から、サイバー攻撃や自然災害といった多様な脅威に対し、BCPの整備が急務であるとともに、その運用体制の改善が必要であることが浮き彫りとなりました。企業には技術的なバックアップだけでなく、顧客とのコミュニケーションの維持にも焦点を当てた包括的なマネジメント体制の構築が不可欠です。今回得られた実態をもとに、SaaS企業はBCPの策定に一層の取り組みを強化する必要があります。今後の展開に注目しましょう。


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