川崎市が国内初のCO2回収プロジェクトをスタート
川崎市は、カーボンニュートラル実現に向けた新たな試みに挑戦します。ごみ焼却処理施設からの排ガスを利用して、CO2を回収する「CCUS」技術を導入するべく、JFEエンジニアリング株式会社と共同で研究を進めています。このプロジェクトは、令和6年3月に締結された「廃棄物処理におけるCO2分離回収・利活用システムの共同研究に関する協定」をもとに展開され、特に膜分離法という新技術を採用することが決定しました。
国内初の取り組み
川崎市浮島処理センターにおいて実施されるこのプロジェクトは、国内初の試みとして注目されています。膜分離法は、特殊なフィルターを用いて排ガスからCO2を選択的に分離する技術であり、従来の化学吸収法に比べてコンパクトで低コストであることが特徴です。これにより、大規模な設置が不要となり、小規模なごみ焼却施設でも効果的な導入が可能です。
実証試験の詳細
今回の共同研究では、令和8年3月から実証試験を開始することが決定しています。川崎市はこれにより、CO2の分離回収技術に関する経済的及び技術的な課題を洗い出し、今後の廃棄物焼却におけるカーボンニュートラル実現へと繋げる方針です。具体的には、膜分離法の導入が成果を上げられるかどうかを検証し、必要な改善策を講じる予定です。
実証試験は令和6年3月28日から始まり、計画は令和10年3月31日まで続く見込みです。これにより、CO2回収がより効率的かつ経済的に進められるか、注目されています。
環境への影響
川崎市は、持続可能な社会を目指し、「廃棄物処理施設の中長期的な整備構想」を策定しています。この構想に基づき、循環型社会の実現や脱炭素化に向けた新たな施設整備を進めています。具体的には、安定した廃棄物処理体制の構築と、廃棄物焼却のカーボンニュートラルを実現するための施策が含まれています。
今後の展望
川崎市は、将来的にこのCO2分離回収技術を他の施設にも展開し、さらには新たな処理センターへの導入も検討しています。このような活動を通じて、より環境に配慮した廃棄物処理が可能になるでしょう。
この取り組みの詳細については、川崎市の公式ウェブサイトをご覧ください。また、川崎市環境局への問い合わせも受け付けており、具体的な情報を得ることができます。カーボンニュートラル実現に向けた川崎市の挑戦は、今後も注目のプロジェクトとなるでしょう。