品川区とハミングバードの協定締結
2024年、東京都品川区は株式会社ハミングバードと『災害時等における無人航空機を活用した支援業務等に関する協定』を締結しました。この取り組みの目的は、ハミングバードが持つドローンの専門知識と技術を活用して、災害時における迅速な状況把握や復旧支援を行うことです。これにより、品川区民の安全で安心な生活環境の確保が期待されます。
品川区の地理的特性とドローンの重要性
品川区は、都心に近いという立地に加え、住宅地や商業地が密集しているため、交通の要衝とも言えます。また、東京湾に面した臨海部や河川沿いの低地は、水害や液状化のリスクが高く、大規模災害時は地上からの調査が困難になる可能性があります。
このような特性を考えると、ドローンの導入は非常に重要です。ドローンを利用することで、アクセスが困難な地域でも、上空から迅速に被害状況を把握することができます。臨海部の監視や、避難者の誘導にもドローンは効果的です。具体的には、次のような点で活躍します:
- - 広範囲の迅速な状況把握:交通が遮断された場合でも、上からの視点で被害状況を把握できます。
- - 臨海部・低地の監視:水害のリスクがある地域をリアルタイムで監視でき、危険区域へ立ち入ることなく情報を得られます。
- - 避難誘導の支援:上空からの画像情報を活用し、避難者を安全な場所へ導くことができます。
協定に基づく具体的な支援内容
ハミングバードは、品川区からの指示に基づき、以下の支援業務を行います:
1.
被害状況調査:無人航空機を用いた、災害直後の被害調査を行い、全体状況を把握します。
2.
測量調査:復旧計画策定のための基礎データを集めるために、無人航空機を活用します。
3.
映像等の報告:調査結果を元に、品川区に対して画像や映像情報を迅速に提供します。
4.
避難者等の誘導:無人航空機による、孤立した避難者の位置確認や安全な避難経路の支援を行います。
防災航空隊「はちどり」の発足
さらに、2024年には「防災航空隊はちどり」が発足されます。この部隊は、ドローンスクール東京のインストラクターと、その卒業生で構成され、災害時におけるドローン支援を行います。実地訓練や学科訓練が定期的に行われ、災害時の専門家としての技能を磨いています。
大規模な災害の際には、指導者も被災する可能性があり、そのため卒業生も参加できる体制を整えることが重要と考えられています。これまでにも多くの自治体の防災訓練に参加しており、実践的な経験を積んでいます。
ハミングバードについて
株式会社ハミングバードは、ドローンスクール東京を運営し、国土交通省の登録講習機関でもあります。日本初の商業施設内ドローンスクールとして2018年に設立され、以降全国で11か所を展開。これまでに6,000人以上の卒業生を輩出してきました。最先端技術と人材育成に取り組み、ドローン事業の発展に寄与し続けています。
今後もハミングバードは、品川区との協定を活かし、安全・安心な地域づくりに貢献していくことが期待されています。