岡山大学がヘリウムリサイクルの新たな試みを発表
2026年6月22日、岡山大学津島キャンパスにおいて「ヘリウムリサイクルワークショップ」が開催されました。このイベントには、全国から約200名が参加し、対面とオンラインを融合させた形式で行われました。このワークショップは、ヘリウムの価格高騰や供給不安が深刻化している中、先進的なリサイクル手法や使用済み設備からのヘリウムの回収についての議論を目的としています。
開会の挨拶と目的
岡山大学の那須保友学長は、研究基盤におけるヘリウムリサイクルの重要性を強調し、本ワークショップでの活発な議論を期待しました。講演は、文部科学省研究振興局の奥村皓輝氏による「国立大学法人等の研究基盤等の状況と期待」というタイトルの発表から始まりました。
この発表では、第7期科学技術・イノベーション基本計画について、研究基盤強化に向けた予算や動向についての解説がありました。
講演内容と各校の取り組み
ワークショップは基本的に2部構成となっており、前半ではヘリウムリサイクルに関する取り組みが紹介されました。岡山大学からは、機関連携部門の石井誠副部門長と山﨑秀顕副部門長が、中四国・播磨ヘリウムリサイクル事業(HeReNet)及びヘリウムコンソーシアムの設立について説明しました。
また、米子工業高等専門学校や奈良工業高等専門学校からも、各校のリサイクルに関する取り組みが紹介され、活発な意見交換が行われました。特に理化学研究所や岩手大学からの発表では、使用済みMRIからのヘリウム回収の事例が示され、全国的なネットワークの必要性が語られました。
パネルディスカッション
後半のパネルディスカッションでは、「地域でのリサイクルと使用済設備からの回収の課題と解決策」がテーマとなり、様々な専門家が意見を交わしました。ヘリウムの価格高騰に対する解決策や、MRI関連の利害関係者とのブランド力の議論が行われ、今後の協力体制が確認されました。
質疑応答では、参加者からの質問も活発にあり、参加者同士の意見交換が進みました。これにより、各地域のリサイクル促進に向けた具体的なアクションプランが確認されたことでしょう。
懇親会と見学会
ワークショップ終了後には、岡山大学のJテラスカフェで情報交換会が行われ、意見交換を行いました。また、翌日にはヘリウム回収現場見学会も実施され、実際の設備を視察することで理解が深まりました。
岡山大学は「中四国・播磨HeReNet」を通じて、学内外の大学や企業と連携しながらヘリウムの供給を拡大しています。また、ヘリウムのリサイクルに関する人材育成プログラム「HeliSET」の開発も行い、将来的な研究基盤を支える人材を育成していく方針です。
未来への展望
岡山大学の佐藤法仁副理事は、今回のワークショップを通じて日本全体のヘリウム供給体制を強化する重要性を訴えています。全国の大学や研究機関と協力しながら、経済安全保障の観点からも、ヘリウムのリサイクルや供給ネットワークを強化する取り組みを進めていきたいとしています。
岡山大学の研究・イノベーション活動は、単なる技術的な支援にとどまらず、地域社会や経済全体の発展にも貢献することが期待されます。今後の進展に注目です。