富水幼稚園が導入するSTEAM教育の新しい文脈
神奈川県小田原市に位置する富水幼稚園が、幼児向けのSTEAM教育を正式にカリキュラムに取り入れる取り組みを始めました。このプログラムは、子どもたちが「なんで?」という疑問を持ち、その探究心を育てることを目指しています。MIRIDEとの協働によって実現するこの教育モデルは、子どもたちに探求を促す機会を提供しています。
1. STEAM教育の背景と目的
本取り組みは、川村康文氏や小林尚美氏といった専門家の協力によって推進されており、幼児期からのSTEAM教育の標準化を目指しています。教育は、単なる知識の詰め込みではなく、子どもたちが自発的に学び、考える環境を提供することが重要視されています。探究心を持った子どもたちは、未来の社会で活躍する力を身につけることができるでしょう。
2. 授業内容とその特徴
富水幼稚園では、年長児(5歳児)を対象に、年間を通じたプログラムが展開されています。プログラムの中では、月1回のペースでテーマが設定され、実験や観察、プログラミングといったアクティビティが組み合わされています。特に、「授業を行う」というサービスの提供ではなく、STEAM教育を自然な形で子どもたちの日常に組み込むことが重視されています。
たとえば、子どもたちが「なんで?」という疑問を素直に口にできる空間を作り、講師の関わり方にも工夫があります。また、授業後には保護者とのコミュニケーションを大切にし、子どもたちの探求の芽を家庭で育てていけるよう配慮されています。
3. 初回プログラムの実践例
初回のテーマは「紫陽花の色のひみつ」。子どもたちは、実験を通じて酸性とアルカリ性の違いによる色の変化を実際に体験し、その後はタブレットを使って「自分だけの花」をプログラミングしました。「なんで色が変わるの?」「酸性とアルカリ性を混ぜたらどうなる?」など、教室には子どもたちの疑問が飛び交い、彼らの探求心が燃え上がる時間が流れました。
4. 教員のコメント
担任の先生は、STEAM教育が日常に組み込まれることで子どもたちが自発的に考えるようになると感じています。紫陽花の活動においては、「なんで?」や「先生見て!」という発言が多く見られ、自分の疑問に真剣に向き合う姿が印象的だったと述べています。また、MIRIDEの講師がタイミング良く問いかけてくれるため、教育活動がスムーズに進んだとも話しています。授業後には「家でやってみたい!」という声が聞かれるなど、保護者との会話も生まれています。
5. 理事長とMIRIDE代表の意見
富水幼稚園の理事長、舘野功氏は、子どもたちが多様な経験を通じてチャレンジ精神や探求心を育む場を提供することの重要性を語ります。世界に羽ばたく人材を育成するため、幼児期から探究力を育てていくことを重視されています。一方で、MIRIDE代表の花松孝太朗氏は、STEAM教育が家庭の文化になることが重要であると語り、日常の中に探求する時間を取り入れる姿勢を評価しています。
6. 今後の展望
このような取り組みが進む中、富水幼稚園では教育関係者の見学や取材を受け付けています。この新たなSTEAM教育が地域にどのように影響を与えていくのか、期待が高まります。未来の社会を担う子どもたちが、問いを持ち、探求する力を育てていく姿を見守っていきましょう。