四国電力送配電の新たな挑戦
四国電力送配電株式会社(以下、四国電力)は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための革新的な取り組みに着手しています。香川県高松市に本社を構える同社は、株式会社プラチナ・コンシェルジュ(東京)提供の「DX・変革人材育成プログラム」(通称リモッチ)を活用し、Moxa JAPAN合同会社(東京)およびアイ・ビー・エス・ジャパン株式会社(神奈川)との共同で実践的な体験プログラムを進めています。プログラムは半年間にわたり、デジタル変電所に必要な知識やスキルを養う内容となっています。
デジタル変電所の重要性
デジタル変電所は、電力供給の効率化や安定性向上に大きく寄与すると期待されています。特に、IEC-61850に準拠した通信技術が導入されることで、運用の効率が飛躍的に向上するでしょう。四国電力の送変電部から選ばれた2名の技術者は、このプログラムに参加し、デジタル変電所の姿を具体化するための学びを深めています。
リモッチプログラムの内容
リモッチ期間中、参加者は座学や実機操作を通じて、IEC-61850に基づく技術やネットワーク構築のノウハウを学ぶ機会が設けられています。また、台湾電力の事例を参考に自社設備への適用を検討し、従来では実現が難しかった新たな取り組みに挑戦しています。特に、Moxa JAPANおよびIBS JAPANとの協業により、実際の業務環境での学びが得られていることが大きな特徴です。
ネットワーキング力の強化
プログラムは単に技術を学ぶだけではなく、社外の専門技術者との交流やディスカッションを通じて、今後のDX推進に欠かせぬ「ネットワーキング力」を強化することも目的とされています。多様な視点を取り入れることで、より広い視野で変革を進める力が育まれます。
四国電力送配電の背景と成り立ち
四国電力送配電は、1951年に創立された四国電力株式会社から送配電事業を引き継ぎ、2020年に一般送配電事業者としてスタートしました。中立性や公平性を大切にしながら、積み重ねてきた技術力を活かして次世代の送配電ネットワークの構築を進めています。さらに、DXの推進や新たな技術の導入によって、経営の効率化を図り、未来のエネルギーシステムに対応する準備を進めています。
Moxa JAPANとIBS JAPANの役割
Moxa JAPANは、産業用通信とネットワーキングに特化した企業であり、世界的に数多くのデバイス接続実績を持つ技術者集団です。一方、IBS JAPANは、産業用ネットワーク機器や通信機器の提供を行っており、電力業界のニーズに対応したソリューションを提供する存在です。このように、四国電力送配電は国内外の先進企業と協力し、外国の成功事例を学ぶことで、自社の成長を図っています。
結論
四国電力送配電の取り組みは、電力業界におけるデジタル化がいかに重要であるかを示しています。他社との連携を通じた技術習得は、今後の持続可能なエネルギー社会の実現に向けて欠かせないステップです。このような挑戦が後に大きな成果を生むことを期待しています。