物価高騰が変えた買い物の風景
長引く物価高の影響を受け、多くの消費者が買い物スタイルの見直しを行っていることが最近の調査結果から明らかになりました。株式会社mitorizが実施した調査では、なんと83.4%の消費者が自身の買い物スタイルに変化を感じており、その多くが物価の高騰を背景にしたものです。
キャッシュレス決済が人気
調査対象の2,993人のうち、特に目を引くのは「ポイント還元やキャッシュレス決済キャンペーンの活用」についての意識変化。回答者の40.8%が「このようなキャンペーンを積極的に利用するようになった」と答えています。この動向は、消費者が現金ではなくデジタル決済を推奨される理由の一端を示しています。さらに、38.4%が「より安価な商品やPB商品を選ぶようになった」と回答しており、消費者が価格に敏感になっていることも伺えます。
特に60代以上の回答者は、「必要最低限の買い物に抑える」との意見が多く、支出だけでなく購入量そのものを見直す傾向が強いとされています。一方、20代以下の世代は、計画的に買い物を行うことや、さらに安い店に切り替える傾向が強く見られ、このような柔軟な姿勢が消費行動に影響を与えていると考えられます。
衝動買いの頻度と理由
普段の買い物における衝動買いは55.8%が「衝動買いをする」と回答。また、76.0%もの人々が何らかの形でまとめ買いを行っていることが調査によって示されています。
「衝動買いをする理由」としては、「期間限定や数量限定に惹かれたから」との回答が40.9%を占めており、多くの消費者が時間的・数量的な制約に影響を受けていることがわかります。その他にも、「陳列されていた商品が目に留まりつい欲しくなった」との回答も40.3%あり、店舗側の売場演出や商品の配置がいかに重要かを示す結果となりました。
衝動買いの対象商品
衝動買いをしやすい商品は、58.0%が「お菓子類」と回答、次いで「日配スイーツ」(40.4%)や「惣菜」(29.2%)が続いています。消費者にとって「その場で食べられる小さなご褒美」として手軽に購入できる商品が、衝動買いの対象として人気を集めているようです。これらは、日常的に消費頻度が高く、スーパーの売場でも目に留まりやすい商品であるため、多くの消費者が日々の買い物でつい手に取ってしまうのでしょう。
最後に
物価高は消費者の購入行動に大きな影響を与えており、特にキャッシュレス決済やポイント還元の活用がその趨勢を強めています。衝動買いも年齢層にかかわらず多くの人に共通しており、今後もこの流れは続くことでしょう。このような変化を理解し、自らの買い物スタイルを見直すことが、賢い消費行動につながるかもしれません。