聖光学院の取り組み
神奈川県横浜市に位置する聖光学院中学校高等学校が、進学実績に優れた学校で名を馳せています。特に東大合格者数のトップクラスとして認識されており、学力だけでなく、主体性や自己管理能力の育成にも力を入れています。そんな中、同校では「時間管理・自己管理講座」と「学校用品の管理と整理術」を開催し、学びの場としての新しいモデルを提示しています。
なぜ進学校は「片づけ」と「時間管理」を教えるのか?
近年の教育界では、学力のみならず生徒の主体性や非認知能力に重きが置かれています。聖光学院では、自己管理能力を育むことを通じて、生徒が自ら考え、選び、行動する力を養う方法として、この2つのテーマに焦点を当てた教育を4年間連続で行っています。
具体的には、教室や部室に個人スペースを設けず、限られた共有空間を共同で利用する試みが行われています。この環境下で、生徒たちは「ロッカーの管理」や「共有空間の使い方」について自らの責任を意識し、行動を見直す機会を持っています。
「片づけ」が教育に必要な理由
AI技術によって情報の取得は格段に容易になった一方で、正しい選択をする力が求められる時代に突入しました。片づけは、物理的な整理整頓にとどまらず、何を残し、何を手放すのかを日々判断する力を養います。これは、将来的な学習や進路の選択といった重要な意思決定にも直結します。
例えば、生徒たちは実際に自分のロッカーを整頓する中で、「何を優先するか」といった選択を自ら行います。このプロセスが、自己管理能力や主体性の基盤を作ると考えられています。
保護者を含めた連続型プログラムの取り組み
本講座は生徒だけでなく、その保護者にも参加を促す型式を取っています。定期的に開催される保護者向けの講演会を通じて、家庭での関わり方の重要性を学びながら、生徒は自らの選択と行動を体験します。このような家庭と学校の違ったアプローチを統合する試みが、主体性の育成につながっています。
これまでに310名の生徒がこのプログラムに参加し、再参加の希望を示す生徒も多く見られます。
期待される変化
講座の受講を通じて、以下の3つの大きな変化が期待されています。
1.
選ぶ・決める習慣の獲得:教材や道具を整理する作業を通じて、学習計画や進路選択の意思決定力を育みます。
2.
時間デザイン力の向上:整理した結果生まれた余白を如何に活用するかを考えることで、自らの時間を計画的に組み立てる力が高まります。
3.
自己効力感の向上:整ったロッカーを見つめることで得られる「できた」という実感が、さまざまな挑戦への原動力となります。
参加者の反響
2025年に行われた生徒向けアンケートでは、参加者の70.5%が「講座が学校生活に役立つ」と感じ、68.2%が「講座の内容が学校生活に関連している」と回答しました。また、自分の生活を見直すきっかけとして、講座参加が大きな意味を持ったと多くの声が寄せられています。
講座の詳細情報
- - 開催日:2026年7月14日(土曜日)
- - 場所:聖光学院中学校高等学校
- - 対象:中学1年生から高校2年生(定員各50名)
- - 参加費:2,000円
- - 持参物:筆記用具、Chromebook
- - 講師:お片づけ習慣化コンサルタント 西﨑彩智
この取り組みを通じて、聖光学院は生徒たちが社会に出たときに必要となる「自分で考え、選び、行動できる力」を育て続けています。