川崎市役所本庁舎とコージェネレーションシステムの成功事例
川崎市役所本庁舎は、最新のコージェネレーション(熱電併給)システムを採用し、災害対策の中核を担う高い防災性能を実現しました。これは、停電時にも業務を継続できるという大きな利点を持っています。具体的には、非常用発電機とコージェネを同時に稼働させることで、建物内の電力を100%確保することができるのです。
この新しいシステムには、冷却塔と補給水が必要ですが、通常の稼働時には節水も考慮されています。さらに、災害時の水源途絶を見越し、空水冷切替型の冷却塔を選択しています。特にこの施設は、給湯負荷が少ないため、コージェネの排熱利用を最大化する工夫がなされています。例えば、排熱投入型の吸収式冷温水機やデシカント外調機の再生熱を活用し、効率的に冷房を行うことが可能です。また、富士山の噴火などによる降灰から施設を守るため、給気ファンに火山灰フィルターを装備したフィルターボックスも導入されています。
コージェネ大賞の受賞
このような革新的な取り組みにより、川崎市役所本庁舎はコージェネ大賞を受賞しました。この賞は、コージェネレーションシステムの新規性や省エネルギー性を評価するもので、今年で14回目の開催を迎えます。川崎市と密に連携し、さまざまな関係者が協力して実現したこのプロジェクトは、防災と環境への配慮を兼ね備えた新たなモデルケースとなりました。
建築概要
川崎市役所本庁舎は、2019年から施工が始まり、2023年に完成しました。地上25階、地下2階で、延床面積は62,356㎡を誇ります。この庁舎は、地域の人々に愛され続けてきた旧本庁舎の跡地に立つ、さまざまな機能を兼ね備えた施設です。正に「にぎわい×環境×防災」がコンセプトとして掲げられています。アトリウムと名付けられた半外部空間は、まちの活気を象徴する場所として設定されています。
デザインと機能
この庁舎は、地震や浸水災害に対する徹底した対策が施されているだけでなく、デザインにも配慮されています。コの字型のプレキャストコンクリート外壁を用いて自然換気を実現し、快適性と省エネルギーを両立させています。また、窓周りの設計により、日射を抑制しつつ美しい外観を形成しています。これらすべての要素が結びつくことで、ZEBReady(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を目指した設計が実現しました。
まとめ
川崎市役所本庁舎は、防災性能の強化と環境配慮を両立させた最新の都市型公共施設です。コージェネレーションシステムの導入により、持続可能な社会に向けた重要な一歩を踏み出しました。市民にとって身近で、安心して利用できるような取り組みに、今後も注目が集まります。