サステナビリティを考える新しいゲーム「スズキクエスト」
東京都港区の一般社団法人Earth Companyが開発した「リジェネラティブな事業探究ゲーム(通称:スズキクエスト)」が2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。本ゲームは、海や魚などの非人間的ステークホルダーを意思決定に組み込むという革新的なアプローチが評価され、5,225件の中から選ばれた1,619件の受賞作品の一部となりました。このゲームは、企業や教育機関に向けた新しいサステナビリティ教育の形を提案し、参加者に深い洞察を与えることで、リジェネラティブな思考の普及を目指しています。
開発の背景と目的
現代において、気候危機に直面している多くの日本企業が、大量生産・大量消費のモデルを見直す必要に迫られています。日本の伝統的な「三方良し」の精神は、単に利益追求にとどまり、環境や未来への責任が欠けていることが指摘されています。そこでEarth Companyは、売り手・買い手・社会・自然・次世代の視点(五方良し)を取り入れた新たな研修プログラムを開発しました。
参加者の反応
スズキクエストに参加した人々の中には、自然を意思決定の一部に取り入れるという新しい視点に感銘を受けたという感想もあります。株式会社リコーのESG推進室長、赤堀久美子氏は「このゲームを通じてサステナビリティの課題について新たな洞察を得ることができた」と述べています。また、バランスの取れた事業運営のあり方を多面的に体験できるこのゲームは、企業のサステナビリティに関わる担当者にとって有意義な体験となるでしょう。
グッドデザイン賞の評価
このゲームは、没入型のロールプレイを通じて「リジェネラティブ」な事業の考え方を学ぶことができる点で高く評価されました。参加者は、ステークホルダー同士の関係性を基に事業の本質を探求することができ、従来の利益重視の考え方を超える新しい視点を与えられます。こうしたアプローチは、持続可能な社会を実現するための第一歩として重要であり、多様な視点からの思考促進に寄与しています。
今後の展開
今後は、さらに多くの人々にこのゲームを体験してもらうため、英語版の制作やアジア地域への普及計画が進行中です。2025年には、東京コンベンションホールにて「RegenerAction JAPAN 2025」イベントでもこのゲームを体験する機会が設けられ、ヤマハ発動機のリジェラボでも体験版が実施されることが決まっています。
参加イベント details
1.
RegenerAction JAPAN 2025
日時: 2025年10月29日
会場: 東京コンベンションホール
定員: 30名
2.
YAMAHA MOTOR Regenerative Lab
日時: 2025年11月27日
参加費: 1500円
まとめ
Earth Companyが目指すのは、「人と社会と自然が共に繁栄するリジェネラティブな社会」です。このゲームは、従来のビジネスモデルの枠を超え、より持続可能であること、そして新たな豊かさをもたらすための一助になることを願っています。参加者一人ひとりがこの体験を通じて未来を見つめ、サステナブルな社会を築くためのヒントを得られることでしょう。