日本初の吸収性食道用ステント「ELLA-BDステントPX」の薬事承認
日本初の吸収性食道用ステント「ELLA-BDステントPX」が、2025年3月7日付で薬事承認を取得しました。この革新的なステントは、株式会社パイオラックスメディカルデバイスと国立がん研究センター東病院が共同で実施した臨床試験を経て登場しました。
ELLA-BDステントPXの特長
「ELLA-BDステントPX」は、生分解性素材であるポリジオキサノンを主成分としています。この素材は外科用縫合糸として広く利用され、体内に留置されたステントは約3ヶ月で自然に分解・吸収される特性があります。従来のステントは長期間体内に留まるため、抜去が必要でしたが、ELLA-BDステントPXではこのプロセスが不要になり、患者さんの生活の質(QOL)の向上が期待されています。
難治性食道良性狭窄と診療上の課題
食道がんの手術後、約20%の患者さんが良性狭窄を発症することがあります。この状態は食道が狭くなり、飲食物が通過しにくくなるため、患者さんにとって極めてつらい症状です。現行の標準治療では繰り返しの拡張処置が必要となり、身体的および精神的な負担が大きかったのですが、「ELLA-BDステントPX」はこの課題を効果的に解決する可能性があります。
臨床試験の成果
臨床試験には先進医療B制度下で行われたものと企業治験の二つがあり、前者では66.7%、後者では46.7%の患者さんにおいて、飲み込みづらさの改善が見られました。この結果は、ELLA-BDステントPXが実際に患者さんのQOLに寄与する定量的証拠となります。
今後の展望
株式会社パイオラックスメディカルデバイスは、今後、この革新的な製品を特定保険医療材料として保険適用するための手続きを進めています。これにより、患者さんの医療費の自己負担を軽減し、より多くの方々がこの恩恵を受けられることを目指しています。
最新の保険適用に関する情報は、同社の公式ウェブサイトで随時更新される予定です。
会社紹介
株式会社パイオラックスメディカルデバイスは、1933年に創業し、医療機器の企画から製造、販売までを行っています。特に低侵襲治療に注力し、患者さんの身体の負担を減らすデバイス開発に取り組んでいます。「世界中の患者さんに笑顔を」というミッションを持ち、日々進化し続けています。
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