三菱ふそうトラック・バスの革新的な睡眠施策の全貌
とても重要なテーマである睡眠。その中でも地方や企業における睡眠の改善は、労働環境や健康経営に多くの影響を及ぼします。神奈川県川崎市に本社を構える三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下、三菱ふそう)は、その取り組みとして「単発で終わらせない睡眠施策」に力を入れています。この施策の具体的な内容や成果について、共同で進めるセミナーを基にお届けします。
セミナーの背景と目的
株式会社ニューロスペースが共催したこのセミナーでは、企業における健康経営と睡眠改善に焦点を当て、三菱ふそうの統括産業医、小笠原氏が同社の取り組みを紹介しました。具体的には、睡眠施策の背景や課題、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング、そして職種別に実施している施策までが語られました。
睡眠を経営課題として捉える
三菱ふそうが睡眠を重要視する理由は、睡眠の質がメンタルヘルスや生産性、そして安全に直結するからです。2023年から本格的に健康経営を進める中で、特に「高ストレス」と「高血圧」という健康課題を設定しました。そのデータを分析するうちに、睡眠が両者と密接に関わっていることが判明し、2025年からは睡眠を重視した施策を導入することに決めました。
従業員の声を反映した施策
初めのステップとして、約9,000名の従業員に対して睡眠に関するアンケートを実施しました。回答者は約900名で、睡眠に満足しているとの回答は59%に達しました。職場ごとに異なるニーズも明らかにし、たくさんの従業員が「睡眠に関する知識を得たい」または「就業環境の改善を希望する」といった意見を寄せました。これを基に、ニューロスペースと共同で睡眠に関するセミナーや教育を実施するサイクルを構築しました。
睡眠時無呼吸症候群への対応
施策の中でも特に重要だったのは睡眠時無呼吸症候群(SAS)への対応です。約2,500名の従業員が参加したSASサーベイを実施し、同社は安心と命に関わるリスクを最優先で対応しています。回答の結果をもとに、問題点を明らかにし、今後の睡眠改善に向けた教育施策へとつなげています。
睡眠を「技術」として学び実践する
三菱ふそうでは、「睡眠は技術」という考えのもと、実践可能な睡眠の12の技術を紹介するセミナーも開催しました。例えば、就寝前のリラックスや朝に光を浴びる習慣など、具体的な行動に落とし込むことが重要です。このようにして、従業員に対する知識提供だけではなく、実践を重視した施策を行っています。
睡眠休養感の改善
これらの取り組みを通じて、睡眠休養感の指標は59%から63.9%へと改善しました。この結果は、経営層にも報告され、さらなる施策の展開へとつなげられています。2026年には、従業員の睡眠状態をフィードバックする新しい施策も導入予定です。
家族を含めた健康経営へ
今後は、睡眠施策の対象を従業員だけでなく、その家族や派遣社員へも拡大する計画が進行中です。これにより、「ふそうで働く人々の健康づくり」を全面的に推進し、家族の協力を得ることで改善の定着を図ります。
持続可能な健康施策への展望
健康施策を単発で終わらせることなく、継続的な施策へとつなげることが大切です。セミナーでのパネルディスカッションでも、施策開始前の明確な目標設定や行動の可視化が重要との意見が交わされました。従業員が楽しみながら健康施策に参加できるようなこれまでとは異なるアプローチが求められています。
睡眠改善に向けた今後の取り組み
このように、三菱ふそうの睡眠施策の実施は、従業員一人ひとりの健康を向上させ、生産性の向上にも寄与しています。今後も、企業の人事担当者と共に、持続的な健康経営の実現に向けた施策を進めていくことで、全ての従業員が快適に働ける職場環境をつくります。ニューロスペースとも協力を重ね、さらなる改善のためのスキームを確立していく予定です。