ECサイト利用実態調査が明らかにした食品購入の傾向
株式会社シナブルが実施した「食品ECサイトの利用実態調査」では、約7割の利用者が普段の食事用として食品をECサイトで購入していることがわかりました。この調査は、月に1回以上食品をECサイトで購入する方を対象に行われ、具体的な購入頻度、重視点、地域ごとの特徴が浮き彫りとなりました。
調査の概要
調査は2024年12月9日から11日の間に実施され、1,065人が対象となりました。ECサイト利用者は、特に「価格」「送料」「ポイント付与」が重要視されている傾向が強く、コストパフォーマンスが重視されています。
購入頻度と購入品目
調査によれば、食品を購入する頻度で最も多かったのは「1か月に1回」との回答で、35.9%を占めています。これは日常的な買い物というよりも、補充や特定の利用目的のための購買行動であることを示唆しています。
具体的にどのような食品が購入されているのかを地域別に見ると、地域ごとに異なる特徴が見て取れます。たとえば、北海道では「米・雑穀」が31.8%の支持を得ており、関東では37.0%が同じく米や雑穀を購入しています。このように、殆どの地域で主食ともなる米が人気で、冷凍食品や惣菜と共に、保存性の高い食品が多く選ばれています。
地域別の購入結果
- - 北海道: 米・雑穀、菓子
- - 東北: 菓子、米・雑穀
- - 関東: 米・雑穀、惣菜
- - 中部: 米・雑穀、冷凍食品
- - 近畿: 米・雑穀、惣菜
食品購入の理由
次に、なぜECサイトで食品を購入しているかを訪ねたところ、「外出せずに購入できるから」という理由が最も多く、54.2%の方が挙げています。特に、地方に住んでいると入手困難な商品や地元の特産品をECで購入したいというニーズが強いことも伺えます。
たとえば、中部や四国、九州では「遠方でしか手に入らない商品を購入できる」という理由が高く評価されています。
取引金額と求める条件
ECサイトでの1回あたりの購入金額は「3,000~5,000円未満」が最も多く、約35.8%の利用者がこの金額帯に集中していました。多くの利用者が普段の食事用に利用しているという結果が示す通り、量を考慮した買い方も行われています。
購入時に重視される点として、「価格」「送料」に関心が強いことがわかり、特に「送料が無料かどうか」を重視している方は多く、送料に対するこだわりが強いことが分かりました。また、配送日数としては「2日〜3日」が最も多く選ばれています。
不満点と今後の動向
ECサイトでの食品購入における不満点としては、「送料が高い」「商品のイメージと実際のサイズや量がわかりにくい」という意見が多く寄せられました。これらの課題を解決することが、今後のECサイトの信頼性や顧客満足度の向上に寄与すると考えられます。
結論
この調査によって、ECサイトで食品を利用する実態についての貴重なデータが得られました。特に、利用者が重視するポイントと地域別の購入傾向を理解することが、今後の食品EC事業において重要な指針となるでしょう。今後もこうした消費者の声を反映させ、充実した商品やサービス提供が求められます。