岡山大学、地域に根ざした社会変革を推進
岡山大学は、令和7年9月、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)の一環として、地域社会との結びつきを強化するための取り組みを発表しました。この取り組みは、岡山大学が目指す「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向けた具体的なステップの一つです。
J-PEAKSとは?
J-PEAKSは、文部科学省が主導する大型の大学支援プログラムで、研究大学群の形成を目指しています。岡山大学は、本事業に2023年に採択され、5年間で約55億円の支援を受けることが決まっています。この資金を背景に、研究力強化やイノベーション創出に向けたプロジェクトが進行中です。
「City for Better Hearing」プロジェクト
本号の巻頭特集では、J-PEAKSの医療系プロジェクトとして「City for Better Hearing」に焦点を当てています。このプロジェクトは、加齢性難聴を持つ人々に対し、持続可能な支援モデルを構築することを目指しています。片岡祐子センター長補佐は、難聴が社会的孤立や認知症と関連していることを指摘し、早期発見と適切な治療が求められると強調しています。
また、行政や民間企業と連携し、聴覚検診を通じて早期発見につなげる仕組みを構築しようとしています。特に、非都市部では医療機関が限られているため、地域住民に新たな医療的価値を提供することが期待されています。このプロジェクトを通じて、地域全体のQOL向上が図られることを目指しています。
取り組みの多様性
本号には、他にも多様な取り組みが掲載されています。岡山大学では、研究者が研究に専念できる環境を整えるために、事務職員を「研究開発マネジメント人材」として認定し、支援体制を強化しています。また、地域共創型のプロジェクトや異分野融合の研究ミーティングも開催され、地域と大学との協力関係を築く努力が続けられています。
さらに、岡山大学は「BIZENエコシステム」のスタートアップ支援や、NASAの「コラディーニアワード」を日本人として初めて受賞する等、国内外での評価も高まっています。特に、地域の特性を生かした研究設備の整備や、産学官連携による新たな研究拠点の形成が進められています。
未来への展望
岡山大学は、単に研究開発を行うだけでなく、地域中核大学として社会変革を先導する意義を持っています。「常識」にとらわれない組織改革を進めることで、より多様な取り組みが可能になると考えています。地域の皆さんと共に、「聞こえを支えるまち」の実現や、持続可能な社会への移行を果たすための努力が期待されています。
私たちも、岡山大学のこれからの展開を注視していきたいと思います。引き続き、皆様のご支援をお願い申し上げます。
詳しい情報については、
こちらからご覧ください。