アクポニが新たなCO2回収技術を導入
神奈川県横浜市を拠点とする、アクアポニックス専門企業・アクポニは、スウェーデン企業Direct Carbonと提携し、画期的なDAC(直接空気回収)機器『Wunderpumpe2(ウンダーパンプツー)』の販売を開始しました。この新技術は、環境への配慮とともに農業生産の向上が期待されています。2025年10月には日本初の一般公開を行い、多くの関心を集めることでしょう。
DAC(直接空気回収)技術とは?
DAC技術は、大気中のCO2を効率的に回収するシステムです。Wunderpumpe2はこの技術を使用し、空気中のCO2を直接抽出、濃縮して、温室や植物工場に供給します。この仕組みを導入することによって、農作物の成長を促進し、カーボンニュートラル社会に一歩踏み出すことができます。
施設園芸への適用とその効果
温室栽培において、CO2の濃度を1,000〜1,200ppmに高めることで、生産量が最大40%増加することが実証されています。しかし、従来のCO2供給方法には、化石燃料の使用や液体CO2の調達コスト、環境への負荷といった課題がありました。Wunderpumpe2はこれらの課題を解決し、安定的なCO2供給を実現します。
Wunderpumpe2の特長
1. 高効率なCO2回収
Wunderpumpe2は、ハニカム構造のローターと独自の固定吸収材で構成されており、世界トップクラスのCO2回収率を誇ります。さらに熱の再利用を行うことで、効率的にCO2濃度を調整します。
2. モジュール式で柔軟な対応
この機器はモジュール式となっており、様々なビジネスニーズに合わせて規模を調整可能です。コンパクトな設計のおかげで、研究施設や店舗など場所を選ばず設置できるのも大きな魅力です。
3. 低コスト運用
初期投資は大きいものの、DAC方式は運用コストが低く、わずか1年で従来方式を逆転。5年間で約1400万円のコスト削減効果が期待されています。
様々な分野への展開
アクポニでは、Wunderpumpe2の実証実験を通じて、イチゴの栽培など様々な農作物における導入モデルを構築していく方針です。また、この技術は飲料業界やデータセンター、自治体など、幅広い分野での需要が見込まれています。
イベント情報
この革新的なDAC機器『Wunderpumpe2』は、2025年10月1日から3日まで幕張メッセで開催される『第15回農業WEEK』にて一般公開されます。アクポニの代表濱田健吾による講演も予定されており、農業の未来を見据えた議論が展開されるでしょう。
まとめ
Wunderpumpe2は、新たな農業の可能性を示す技術です。環境への負荷を減らしつつ、作物の収量を増加させることが期待されており、今後の農業界に大きな影響を与えるでしょう。アクポニは、この新技術を通じて、持続可能な農業の実現に向けた取り組みを加速していきます。