人的資本経営の新たな視座
一般社団法人プロティアン・キャリア協会が、2025年7月30日に開催されたオンラインセミナー「最先端のキャリア開発:1万人のデータ分析から」のアーカイブ配信を開始しました。このセミナーでは、130を超える企業からのデータを分析した、現代ビジネスパーソンが直面するキャリア課題についての報告が行われました。
セミナーの構成と内容
アーカイブ配信の視聴は無料で、申し込みが必要です。参加者には、事前に送信されたリンクから視聴できる形式となっています。セミナーでは次のような内容が提供されました:
- - プロティアン・キャリア協会の概要
- - 『キャリア開発診断』サービスの利用法
- - 分析結果の詳細な解説
- - 質疑応答を通じたダイアログ
登壇者には、代表理事の田中研之輔教授や、4designs株式会社の栗原和也氏が含まれ、各々の立場から深い洞察が提供されました。
データが示したビジネスパーソンの現状
セミナーで発表されたデータによると、ビジネスパーソンは「キャリア目標」が非常に低いことが明らかになりました。具体的には、参加者の82%が月単位のキャリア計画を立てておらず、72%はロールモデルを求めていないという調査結果が出ました。さらに、70%がキャリアに関する見直しや相談をしていないという問題点も提示されました。
この深刻な実態について、田中教授は「問題は能力不足ではない。未来を描くための練習機会が不足しているのだ」と指摘。企業が未来を見据えた戦略を描くのに対し、個々のキャリア戦略は過去の経験に基づいている現状を問題視しました。これがキャリアの停滞を引き起こす根源であるとの見解です。
今後の展望とキャリアAIドック構想
プロティアン・キャリア協会では、今後この診断データを10万人規模に拡大し、個人のキャリア状態を可視化する「キャリアAIドック」という新たな構想を進める方針です。この取り組みを通じて、客観的なデータを活用し、自身のキャリアの課題を特定していくことが、人的資本経営の新たな核になると期待されています。
プロティアン・フォーラム2025の開催
セミナーで得られた知見は、8月30日に開催予定の「プロティアン・フォーラム2025」にも引き継がれます。このフォーラムでは、AIや技術革新、価値観の多様化を背景に、個人と組織が自己の未来を創出するためのノウハウを共有する機会が設けられます。
参加者は興味のあるプログラムに自由に参加できる形式となっており、入場料は無料。参加を希望される方は、専用のウェブサイトから詳細を確認し、申し込みを行うことができます。
セミナーを通して自分のキャリアを見つめ直そう
キャリア開発は今後ますます重要になっていく分野です。このセミナーのアーカイブ視聴を通して、自身のキャリアに必要な行動を再評価する良い機会を提供する、この取り組みにぜひ参加してみてはいかがでしょうか。