学びの概念を変える教室
神奈川県茅ヶ崎市の公立小学校で、「時間割や成績表がない」授業スタイルを実践している山田剛輔先生。その革新的なアプローチが、子どもたちの学びにどのような影響を与えているのかを掘り下げていきます。
探究的な学びの実践
2020年度から新たに導入された学習指導要領では、子どもたちが自ら問いを立てて学ぶ「探究的な学び」が重視されています。山田先生の教室でも、形式にとらわれず、複数の教科を融合させたプロジェクトベースの学習が行われています。具体的には、自然科学を探求するために国語や数学の知識を駆使した課題解決を行うなど、教科横断的な学習が顕著です。
この幼少期の教育において、子どもたちは自主性や柔軟な思考能力を培うことが期待されています。「時間割がない」と聞くと、教育の質が不安視される側面もありますが、実際には学習指導要領の範囲内でしっかりとカリキュラムが組まれています。それにも関わらず、子どもたちの学ぶ意欲や、得られる満足感は非常に高まっているとのことです。
保護者の反応
初めは不安ことに感じていた保護者たちも、次第にその教育スタイルが子どもたちにポジティブな影響を与えていることに気が付くようになっています。また、山田先生は保護者の悩みや疑問にも真剣に向き合い、解決策を提案しています。
「子どもが勉強を嫌がる」「宿題をやる気がない」といった典型的な悩みについて、「その思いを尊重し、一緒に解決策を考えていくことが重要」と山田先生は強調しています。例えば、学びたくない時期には休息が必要であるとし、無理に勉強を強いるべきでないといったアプローチが評価されています。
時間割のない授業の実情
時間割がないということは、従来のように教科ごとに時間が区切られていないため、柔軟に学びを進めることができます。実際には、子どもたちの主体性が促された結果、彼ら自身が学びの時間の使い方を選んでいく様子が見受けられます。
例えば、ある日は理科の時間を延長して、興味を持ったテーマについて深く掘り下げることができるのです。また、山田先生は「学んだことが日常生活にどう役立つのか」を具体的に意識づけるよう心がけています。これによって、学びが単なる知識の蓄積ではなく、実際の生活に密着した実用的なものであるという感覚が育まれます。
まとめ
時間割や成績表がない授業という新たな試みが、どのように子どもたちの成長に寄与しているのか、さらにその教育方法に対する親の不安にどのように対応しているのかを探ることができました。子どもたちはこのユニークな学びの環境の中で、自分の興味や関心に基づいて成長しているのです。山田先生の取り組みは、保護者にとっても新たな教育観を持つ良いきっかけとなることでしょう。
今後の山田先生のインタビューシリーズでは、さらに多くの具体事例が紹介される予定です。雑誌の次号もお楽しみに!