日本初の下水道管理技術開発に向けて
1. 研究概要
名古屋大学は川崎市と連携し、デジタル技術を基盤とした新しい下水道管理技術の開発に乗り出しました。この共同研究は、下水処理場における機械システムの状態を監視する方法を進化させることを目的としています。
2. 研究背景
近年、IoT技術の進展により、機械システムの状態をリアルタイムで監視し、異常を事前に予測することが可能になってきました。しかし、下水処理場においては、こうした進化を取り入れた国内の例はまだ存在しません。そのため、名古屋大学の井上教授が主導し、川崎市の上下水道局と協力することで、より効果的かつ効率的な施設管理を実現しようとしています。
3. 研究の実施内容
本研究は、ポンプなど下水道設備に設置されたセンサーによって集められた様々なデータを活用します。これらのデータには、電流、振動、加速度といった情報が含まれ、設備の状態をモニタリングするために使用されます。さらに、取得したデータを基に仮想空間にデジタルツインモデルを構築し、シミュレーションにより設備の状態を分析します。
4. 共同研究の目的
川崎市では下水道施設を健全に維持するために、これまでも定期的な点検・調査を行ってきました。しかし、老朽化する設備への対応が必要です。その背景において、名古屋大学との共同研究を通じて、ポンプ類の健康状態を継続的に監視し、トラブルを未然に防ぐ効率的な管理手法を確立しようとしています。
5. 期待される効果
今回の研究が進むことで、下水道施設の監視・管理方法が大きく変わる可能性があります。特に、デジタル技術を駆使したマネジメントが普及すれば、ダウンタイムが減り、運営コストの削減が期待されます。
6. 今後の展望
この共同研究は2028年3月31日まで続けられ、研究結果が実用化されることが待たれます。新たな技術が導入されることで、地域の下水道管理が根本から変わるかもしれません。地域住民の生活の質向上に寄与することが、先端技術を用いた研究の最終的な目的です。
お問い合わせ先
研究に関して興味のある方は、以下の連絡先にお問い合わせください。
電話: 044-200-0352
- - 名古屋大学大学院工学研究科 機械システム工学専攻
教授: 井上、助教: 小河原
電話: 052-789-3122