川崎の水素実験
2025-12-08 15:43:25

川崎で始まる水素エネルギーの新しい実験「HyDel™」の全貌

川崎で始まる水素エネルギーの新しい実験「HyDel™」の全貌



三菱化工機株式会社は、川崎市幸区にある若者文化発信拠点「カワサキ文化公園」に、水素吸蔵合金と燃料電池を一体化した新たなシステム「HyDel™(ハイデル)」を設置しました。このシステムは、2023年12月に実施された点灯セレモニーで、照明器具に水素から生成されたエネルギーを供給し、その稼働を開始しました。2026年度には商業販売が予定されており、今後の展開が期待されます。

HyDel™の概要と特長



HyDel™は、三菱化工機株式会社と那須電機鉄工株式会社、日本フイルコン株式会社の3社が共同で開発した、可搬型の水素吸蔵合金配送システムです。本システムは、寒冷地においても効率良く水素を取り出せる点が魅力で、据え置き型の施設として「カワサキ文化公園」に設置され、長期にわたる実証実験が行われます。

このシステムの基本的なスペックは以下の通りです。
  • - 製品名: HyDel™(ハイデル)
  • - 定格出力: 2kw/h
  • - 外寸: 2,500mm x 2,000mm x 2,500mm
  • - 重量: 1.8t

省エネルギーと安全性



HyDel™の最大の特長は、省エネルギー設計です。製造した水素は圧縮されることなく、そのまま利用可能で、通常の運用時にはファンの運転のみで冷却されます。また、水素を放出する際には燃料電池から排出される熱を活用し、より効率的にエネルギーを供給します。

さらに、HyDel™は高圧ガスには該当せず、使用される吸蔵合金は非危険物として扱われるため、法的な制約がほとんどありません。これにより、幅広い場面での利用が可能で、利用者も安心して取り扱えるのです。

高性能と多様な想定用途



HyDel™は寒冷地でも安定した動作が期待できるため、様々な用途での利活用が可能になります。再生可能エネルギーの利用や余剰水素の分散型運用、小規模の電力供給に最適なシステムとして認知されるでしょう。具体的には、離島や地方、都市部の病院、大学といった研究機関でも活用が見込まれています。

このシステムは、特に高圧ガスや安全性が導入の障壁となっている場面でも威力を発揮するでしょう。11400回以上の繰り返し使用が可能な耐久性を有し、低圧であっても市販ボンベと同等の水素貯蔵量を実現しています。

カワサキ文化公園とは



「カワサキ文化公園」は、川崎市が若者文化の発信拠点として整備した施設で、2025年に正式にオープン予定です。その目的は、若者が集まり交流を深める場所として、バスケットボールやダンスを中心としたアーバンスポーツの発展を支援することです。

SDGsへの貢献



三菱化工機株式会社は、この取り組みを通じてSDGs(持続可能な開発目標)への貢献も強く意識しています。具体的にはエネルギーのクリーン化、技術革新、住み続けられる街づくり、環境問題への対策など、幅広い目標に向けて取り組んでいます。

今後、HyDel™の実証実験を重ねることで、水素エネルギーの商業利用の道を開き、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めていく考えです。川崎市から新たなエネルギーの発信が期待されます。


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