独自の設計で生まれた新たな3Dプリント防音壁の挑戦

3Dプリント防音壁の魅力とは

近年、建設業界では3Dプリンティング技術が注目を集めています。その中でも、特に目を引くのが、国内で設置された複雑曲面を持つ3Dプリント製防音壁です。このプロジェクトは、日揮ホールディングスとその子会社である日揮グローバルによって実施されました。

3Dプリンティングの導入

日揮グローバルでは、2018年に発表された「ITグランドプラン2030」において、建設自動化と3Dプリンタの導入をテーマに掲げています。この取り組みにより、より効率的かつ創造的な建設工法が模索されています。既に国内のバイオマス発電設備やサウジアラビアの化学品施設などで3Dプリンターを活用した実績がありますが、今回の防音壁はその中でも特異な存在です。

新潟のプロジェクト

新潟県柏崎市で行われているこのプロジェクトでは、9メートルの長さを持つ防音壁が設置されました。この壁は、日揮グローバルが保有する最新式のCOBOD社製ガントリー型建設用3Dプリンタを用いて製作され、設置にはわずか3日間が必要でした。これにより、短期間での施工が実現されるとともに、環境に優しい建設方法が採用されました。

デザインの工夫

防音壁のデザインは、周囲の自然環境との調和を意識したものです。特に、近隣の川や海をモチーフにした波型の形状は、視覚的にも美しさを兼ね備えています。また、集水桝との干渉を避けるため、波型から直線に変わるデザインが採用され、機能性と景観の両立が図られています。これは3Dプリンタならではの技術が生かされた部分でもあります。