子どもの言語支援を効率化する新ツール
子どもたちの言葉やコミュニケーションに関する課題を抱える保護者にとって、支援につなげる道具として注目される「ことばの見立てシート」が2026年1月24日から、いわたコトバのそうだん室から無料で公開されることが決定しました。これは、言語聴覚士である岩田よしき氏が開発したもので、初回相談時における保護者のストレスを軽減し、具体的な支援策にスムーズに進むことを目指しています。
シートの概要
この「ことばの見立てシート」はA4サイズの一枚で構成されており、親が子どもに関する困りごとの全体像を整理して伝えるためのフォーマットです。従来の問診票は情報を網羅するには不十分であったため、岩田氏は困りごとの内容だけでなく、困りごとがどのような環境で発生するか、またそれをどう工夫するかを可視化できるよう工夫されています。これにより、相談時に必要な情報を余すことなく伝えられることを目指します。
背景
初回相談に訪れる保護者は、しばしば伝えたいポイントを限られた時間内に焦ってしまい、大切な情報を見逃してしまうことがあります。特に、以下のような重要な要素が抜けがちです。
- - 子どもがどのような場面や条件で困っているのか
- - 何が助けになるのか、具体的にはどのような関わりが有効だったか
- - 家庭や教育機関での具体的な様子
結果として、相談時には状況を把握するだけで終わってしまい、次のステップへのアプローチが遅れてしまう場合が避けられません。このシートは、そうした漏れ落ちを防ぎ、初回相談から具体的な支援策の検討を促進するために開発されました。
シートの特徴
1. 困りごとの整理
言葉やコミュニケーションに問題を抱える未就学児から小学生を対象に、日常観察を元にした情報を整理しやすいA4フォーマットが用意されています。このシートは診断ツールではなく、あくまで保護者や支援者が子どもに関する情報を共有しやすくするためのツールです。
2. 情報の可視化
一般的な問診票は困りごとを列挙することに特化していますが、「ことばの見立てシート」では以下の3つの要素を同時に整理することが可能です。
- - 困りごとの内容
- - それが起きやすい条件
- - 助けになる工夫
この情報をもとに、子どもに焦点を当てるだけでなく、環境調整や関わり方の改善に直結した情報を収集できます。
3. 対象とする悩みの範囲
このシートは、以下のような悩みを対象にしています。
- - 言葉の理解が難しい状況
- - 語彙が限られている
- - 会話が続かない
- - 話し方や発音が不明瞭
ただし、診断を目的とするものではなく、困りごとが長引く場合は専門的な相談をお勧めします。
利用シーン
このシートは、保護者や教育機関での使用を想定しています。具体的には、専門家や療育機関への相談時の持参資料として利用でき、事前に情報共有をすることで相談時間の効率化が図れるでしょう。また、家庭内での観察や関わり方の見直しにも役立ちます。さらに、療育センターや保育施設、学校では共通のフォーマットとして活用が可能です。
公開および配布情報
「ことばの見立てシート」は2026年1月24日から、いわたコトバのそうだん室のInstagramやnoteでダウンロード可能となります。対象は未就学児から小学生までで、フォーマットはA4サイズのPDF形式で、費用は無料です。今後、保育園や学校、医療機関など広範囲にわたって配布し、地域の支援の一環として活用されることを目指しています。
岩田よしき氏のプロフィール
岩田よしき氏は言語聴覚士として、幼少期に自身が経験した吃音を通じて、言葉に悩む子どもたちを支える仕事に身を捧げてきました。総合病院勤務を経て現在は川崎市に拠点を構え、自閉スペクトラム症を含む多様な支援を行っています。彼の活動は支援だけでなく、メディアにも頻繁に取り上げられています。地域の言語発達支援をよりシームレスに取り組むための施策が今後どのように展開されていくのか、注目が集まっています。