驚きのスズメバチ食性
2025-05-25 17:21:24

神戸大学と岡山大学の共同研究が解き明かすスズメバチの驚くべき食性の多様性

スズメバチの多様な食性が明らかに



この度、神戸大学と岡山大学の研究チームが、シダクロスズメバチ(Vespula shidai)の食餌習慣に関する調査をDNAメタバーコーディングを通じて実施し、その結果を発表しました。この研究は、野生の巣と飼育された巣から得られたサンプルに基づき、スズメバチが捕食している生物の食性を深く理解するものです。

研究の概要



研究チームは、長野県や岐阜県に生息するGPSマーカーを使用し、スズメバチの食べている餌を特定しました。その結果、324種類の餌生物が確認され、昆虫やクモにとどまらず、鳥類・哺乳類・両生類・爬虫類・魚類にまで広がる多様な食性が明らかになりました。この発見はスズメバチの生態を理解する上で新しい視点を提供しています。

飼育の実践とその背景



多くの地元の蜂飼育者たちは、スズメバチの野生の食性を経験的に理解しており、彼らの観察結果も本研究の発表後に重要性を増してきます。彼らはこれまでに、脊椎動物を含む餌をスズメバチに提供してきたことを耳にしましたが、その効果については「経験則」に過ぎないとされていました。ところが、この研究によって、実際に彼らが実践する飼育方法が科学的にも裏付けられ、地域の知識が確かなものになりました。

味覚の変化と食文化の合理性



さらに、研究では飼育経験者を対象としたアンケート調査も実施されました。その中で、58%の回答者が「野生巣からの蜂の子は飼育巣のものと味が異なる」と認識しており、その理由として「与える餌の違い」を挙げています。これは地域での食文化における重要な知見であり、スズメバチが貴重な食料資源として再評価される可能性を秘めています。

知られざる魅力の再発見



本研究の成果は、スズメバチが地域の食卓においてどのように貢献しているのか、その深い知識を明らかにしています。また、持続可能な食文化としての昆虫食に向けた一歩となるでしょう。研究の発表を受けて、今後は地域の農業文化や食文化の再評価が進むことが期待されます。この成果は、2025年5月14日に「Journal of Insects as Food and Feed」に掲載されました。

まとめ



この研究は、地域の愛好者や農業従事者にとって新たな知識を提供し、スズメバチに対する理解を深め、持続可能な食文化を模索するための道筋を開くものです。私たちが日常生活で接する生物が持つ科学的な背景を知ることで、より良い食生活を実現する手助けとなることでしょう。


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