アンリツ、新型光増幅器でデータセンタ間接続を進化させる
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、2026年7月27日から1.31μmの半導体光増幅器(SOA: Semiconductor Optical Amplifier)AA3TB10EYの販売を開始します。この新製品は、データセンタ間の接続における高飽和出力ニーズに応え、次世代通信技術に寄与します。
製品の特長
新開発されたSOAは、最大11.5 dBmの高飽和出力を誇り、さらに5.8 dBの低雑音指数を両立させています。この組み合わせによって、信号の品質は大幅に向上し、安定した光増幅性能を実現しています。
製品はコンパクトなセラミック製のキャリアにチップキャリアタイプとして搭載されており、高密度の実装が可能です。また、シリコンプラットフォームとの高い親和性も持ち合わせているため、小型かつ高性能な光トランシーバの実現を支援します。
PAM4信号への最適化
AA3TB10EYは、特にPAM4信号の増幅に理想的です。高飽和出力と低雑音特性に加え、偏波による光学利得の変動が少ないことが特徴で、入力信号の波形を忠実に保ちながら増幅し、高品質な信号出力を可能にします。
開発の背景
近年、AI技術の急速な進化に伴い、データセンタネットワークの需要は飛躍的に増加しています。光トランシーバモジュールは、機器間を繋ぐ重要なコンポーネントとして機能しており、その中でもSOAは伝送距離の延長において広く使用されています。また、伝送容量の増加が必要とされる中、PAM4を利用した新しい伝送方式の標準化も進んでいます。
このような背景から、高飽和出力と低雑音の特性を備えたSOAへの需要が高まっており、アンリツは長年の光デバイス技術を生かしてこの新製品を開発しました。
製品概要
AA3TB10EYは、SOAチップを窒化アルミニウム製の小型キャリアにマウントしたチップキャリアタイプの製品です。光集積回路への組み込みに適しており、中心波長1310 nmで光学利得10 dB、偏波依存利得1.5 dB、飽和出力11.5 dBm、雑音指数5.8 dBを実現しています。この特性により、400GbE、800GbE、1.6TbEなどのER/ZR光トランシーバに最適なソリューションを提供します。
対象市場・用途
この新型SOAは、光通信機器メーカーを主な対象とし、光トランシーバの用途で活用されます。アンリツは、この革新的な技術を通じて光通信の進化に寄与していく所存です。
用語解説
- - 飽和出力: 入力信号が大きくなった場合に、利得が線形領域から3 dB低下した際の光出力。
- - SOA: 半導体レーザの両端に反射防止処理を施すことで、外部からの光を増幅する光半導体素子。
- - 雑音指数: 信号が増幅器を通過する際に、信号対雑音比がどの程度劣化するかを示す指標。
- - 光トランシーバ: 光と電気の信号を相互に変換するデバイスで、用途に応じたパッケージサイズや伝送速度が多様な種類が存在。
- - PAM4: Pulse Amplitude Modulationの略で、4値(00, 01, 10, 11)での振幅変調方式を指し、伝送容量の向上に寄与します。
アンリツは、今後も技術革新を通じて光通信の未来を切り拓いていくことを目指します。