国際化を目指す岡山大学の新たな挑戦と未来への道筋

岡山大学が描く新たな国際化のビジョン

国立大学法人岡山大学が、文部科学省の「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」に採択され、新たな国際化プログラムを展開することとなりました。このプロジェクトは、学長の那須保友氏の指導の下、地域社会と地球の未来を共に創り出す人材、すなわち「Well-being実践人」の育成を目指しています。

プロジェクトの背景と目的

本事業の背景には、文部科学省が策定した「教育未来創造会議」からの提言があります。この提言に基づき、岡山大学は国際的な教育環境の構築を強化し、留学生の受け入れと日本人学生の海外派遣を促進することで、相互作用による好循環を生み出すことを目指しています。この取り組みは、教育の国際化に寄与し、文化的多様性を尊重する教育環境を提供することで、学生に多様な学びの機会を与えることが目的です。

教育の新しい形を模索する

岡山大学では、以下の三つのエンゲージメントを核に、新しい教育の形を模索しています。1つ目は「キャンパス・エンゲージメント」で、これは多文化共修の場を提供し、日本人と外国人留学生が共に学ぶ環境を整備するものです。2つ目は「グローバル・エンゲージメント」で、これは海外の教育機関や国際機関との連携を強化し、質の高い教育コンテンツを開発することを目指しています。3つ目は「ローカル・エンゲージメント」で、地域企業や自治体と連携し、地域の国際化を進めることで、学生が地域に密着した活動をする場を設けることを目的としています。

SDGsとの接点

特に注目すべきは、このプロジェクトが「持続可能な開発目標（SDGs）」と密接に関連している点です。岡山大学では、SDGsを共通言語として、多文化の共修科目を設定し、学生が文化の多様性を実感しながら学べる環境を提供することに力を入れています。この取り組みを通じて、文化的な背景の異なる学生同士が対話し、議論を重ねることで、国際的な視野を広げることが期待されています。

大学の国際化を加速する取り組み

これまでの10年間で培われたスーパーグローバル大学創成支援事業（SGU事業）の経験を活かし、今後はさらに日本人学生と外国人留学生が共に学ぶ環境を強化する計画です。このプロジェクトが成功すれば、学生の地域定着や就職支援も含め、岡山大学は地域社会と国際社会に貢献し、持続可能な発展に向けた新たなステップを踏み出すことができます。

根本的に、このプロジェクトは学問の枠を超えた教育の在り方を模索しており、特に地域と地球の未来に寄与する人材の育成に重点を置いています。今後の岡山大学の展望は、デジタル時代における国際教育のあり方に革新をもたらすことでしょう。