ケニアの無診療地域で医療支援を実施した日本人医師の挑戦
2026年2月、東京都に本拠を置く医療法人社団マキマ会の理事長、塩尻大輔医師が中心となり、アフリカ・ケニア共和国で大規模な無料健康相談会「メディカルキャンプ」を開催しました。これは、NPO法人アフリカ児童教育基金の会(ACEF)と連携し、地域住民への医療支援を行う取り組みで、ここには塩尻医師の思いが込められています。
医療インフラが届かない地域
塩尻医師が活動を行ったケニア・エナ地区は、首都ナイロビから車で4時間の距離に位置し、アクセスの難しい地域として知られています。ここでは、経済的な理由や物理的な距離から、病院への通院が困難な人々が多く暮らしています。当日は、ラジオによる情報発信のおかげで、多くの地域住民が集まり、約2000人が会場に訪れました。この機会に、一般的な体調不良の相談から高血圧などのスクリーニングに至るまで、さまざまな健康問題に対処しました。
特に、重篤な症状が見られる方には、CTや内視鏡設備のあるACEFの病院や近隣の県立病院に対する紹介状を発行し、一過性の支援に留まらない持続可能な医療アクセスの構築を目指していました。会場では、患者の方々が長蛇の列を作る光景が見られ、この取り組みの必要性を強く感じさせました。
国際医療人材の育成
今回のメディカルキャンプには、日本からの医学生や若手医師、看護師、助産師、薬剤師、教育者など多様なバックグラウンドを持つボランティアが参加しました。日本では経験できない様々な症状や状況に直面することで、参加者の専門性や視野は大きく広がります。現地の医療スタッフと英語やスワヒリ語を交えてのディスカッションは、国際医療や社会貢献への関心を高める貴重な経験となりました。
塩尻医師の原点
塩尻医師にとって、ケニアは医師としての原点です。9歳の時に家族と共にケニアに移住し、その直後に妹をマラリアで失ったという非常に悲しい経験があります。この経験が彼の医師を志す原動力となり、ナイロビ大学医学部で学び、産婦人科医として数多くの命を救う仕事をしてきました。現在は日本で感染症を専門とする医師としても活動し、毎年ケニアに赴き、この地域の医療支援を続けています。
塩尻医師のコメント
塩尻医師は、「ケニアは私にとって第二の故郷です。住民の方々が『日本人が来てくれた』と喜んで迎えてくれる姿を目にするたびに、医療者としての責任を強く感じます。日本でもHIVの新規感染者をゼロにしたいという思いから、さまざまな活動を展開しています。」と語ります。彼の信念は、国内外で医療の質を向上させ、人々に開かれた医療を提供することです。
医療法人社団マキマ会について
「マキマ」はケニアの地名から名付けられた法人名で、塩尻医師の両親がこの地で孤児院を運営しています。パーソナルヘルスクリニックでは、感染症を根絶する思いを持って医療を提供しており、社会課題の解決に向けた活動を行っています。