NEXTAGEがスイスで新たなわさび栽培プロジェクトを始動
株式会社NEXTAGEが、スイス・チューリッヒにてヨーロッパ初となる『わさび栽培システム』を導入することを発表しました。これは、同社として初めての海外導入案件であり、現地のSuisabi GmbHと協力し、真妻わさびの本格商用栽培を目指す取り組みです。
チューリッヒの食文化とわさびの需要
チューリッヒは、アルプスに位置する美しい金融都市であり、高級食文化の中心地でもあります。ここにはミシュラン星を獲得したレストランが多く、本格的な日本料理への需要が高まっています。しかし、これまで本物の生わさびを安定的に供給する手段はほとんどありませんでした。そのため、多くのレストランは代替品に頼らざるを得なかったのです。
NEXTAGEが提供するわさび栽培システムは、この状況を変える可能性を秘めています。CEOのアンドレアス・クルツ氏は、「新たな食の可能性を広げることができる」との期待を寄せています。日本の本わさびをスイスのレストランに供給することで、シェフたちの創造力を刺激し、食文化の融合を促進させていく狙いがあります。
プロジェクトの詳細
このプロジェクトは、三つのフェーズに分かれています。フェーズ1では、現地での栽培実証と最適化を行い、フェーズ2では葉茎や根茎のテストマーケティングが予定されています。そして最終フェーズでは、生産体制の拡大を目指します。
スイスの水質は、日本のわさび産地とは異なり、硬水が主流です。これにより、ミネラルバランスやpH、EC値など、わさびの育成に影響を及ぼす要素を細かく調整する必要があります。NEXTAGEは、IoT制御や環境最適化技術を活用し、現地の条件に最適な栽培管理を実現していく予定です。
プロジェクトの推進チーム
プロジェクトには、わさび栽培の専門家やNEXTAGEが誇る「Wasabi Sisters」による研究成果、さらにシステム開発の高度な専門知識を持つチームが参加しています。これにより、わさび栽培が現実のものとなるのです。
さらに、現地の新聞社を巻き込んだプロアクティブなマーケティング戦略も計画されています。日本のわさびがどのようにスイスの食文化を変えるか、期待が高まります。
今後の展望
この取り組みは、わさびという日本特有の作物と栽培技術を異なる文化や環境に適応させる重要な挑戦です。NEXTAGEは、チューリッヒでの成功を基に、今後さらにヨーロッパ各国への展開を目指していく方針です。
代表取締役の中村拓也氏も、このプロジェクトの成功が欧州全体の食文化において重要なモデルケースとなることを確信しています。わさびの生産と供給モデルの持続可能な構築を進め、世界中の人々に本物のわさびを届けるための第一歩を踏み出したのです。日々進化する食文化の中で、NEXTAGEの情熱と技術力がどのように発揮されるのか、ぜひ注目していきたいですね。