横浜市が目指す学校給食改革
横浜市では、令和8年度から全市立中学校での全員給食の実施を予定しています。この大規模な給食システムの導入に向けて、献立作成業務の効率化を図るプロジェクトが進行中です。特に、栄養士の時間を有効活用して、より質の高い給食と食育を提供するための新しいアプローチが採用されています。
背景と課題
学校給食の献立作成には、栄養基準、料理のジャンル、コスト管理、食材の入手可能状況など、無数の条件を考慮しなければなりません。令和7年度までは1日1献立の提供でしたが、全員給食が導入される令和8年度からは、1日あたり約3献立を用意する必要があります。このため、献立作成業務は複雑を極め、栄養士は他の業務との調整に苦しむことになります。
具体的には、以下の2つの課題があります:
1.
献立作成の複雑化: 3献立全てに求められる多様な条件を満たすため、作業は煩雑になっています。
2.
修正精度の低下: 献立案を作成後の見直し作業も複雑であり、修正が発生した場合、連鎖的に他の部分にも影響を及ぼすことがあるため、時間的コストが増大しています。
実証事業の概要
このような背景を踏まえ、横浜市では「YOKOHAMA Hack!」というプロジェクトを立ち上げ、株式会社ウッドペッカーと連携して実証事業を開始します。実施は2023年12月23日から2024年5月29日までの期間で行われ、以下の内容が盛り込まれています:
1. 数理最適化
献立作成における要件(栄養基準、コストなど)を数理最適化に基づいて充足し、AIを活用して提案を行います。このハイブリッド型アプローチにより、より実現可能な献立案を生成します。
2. チェックと修正の支援
献立案の確認や修正が円滑に行えるよう、具体的なサポートツールも開発される予定です。これによって、栄養士の負担を減らし、業務の効率化を図ります。
3. 業務工数の削減
試験運用により、業務プロセス全体の工数削減とその効果を検証します。この結果をもとに、必要な機能や運用上の課題を明らかにし、システムの本格導入に向けて進めていきます。
今後の展望と期待
このプロジェクトによって、栄養士が献立開発や食育の推進にかける時間を増やし、より質の高い給食が実現されることが期待されています。また、社内外のニーズに応じたカスタムソリューションを提供するこの取り組みは、他の自治体や学校にも波及効果をもたらすかもしれません。横浜市は「YOKOHAMA Hack!」を通じて、行政のデジタル化を推進しつつ、県民へのサービス向上を目指しています。
今後もこのプロジェクトの進展に注目していきたいと思います。