進化するドローン性能評価技術
近年の技術革新により、ドローンは物流や防災、点検などあらゆる分野での活用が急速に進んでいます。しかし、その飛躍的な進歩には、ドローンの「安全性」や「信頼性」をどう確保するかという大きな課題が伴います。こうした背景のもと、東京大学と株式会社先端力学シミュレーション研究所(ASTOM R&D社)の共同研究が始まりました。これは、バーチャル空間における高精度なモデル開発とその認証を目指した新たな試みです。
共同研究の目的
本共同研究は、ドローン性能計測システムおよびドローンシミュレーターの開発を通じて、性能試験からモデル化、さらには認証支援に至る新しい測定ソリューションを提供しようというものです。これにより、ドローン開発のプロセスが効率化され、柔軟性も増します。これは、フロントローディングによる問題の早期発見や、認証にかかるコストの低減を実現するものと期待されています。
どのように技術が向上するのか
ASTOM R&D社が保有する高度なシミュレーション・解析技術と東京大学の専門的な知見を融合させることで、ドローンの性能評価技術はより高度に進化します。これにより、今まで直面していた課題に対して新たな解決策が見出され、さまざまな分野でのドローン利用が安全かつ信頼性の高いものになるでしょう。
今後の展望
共同研究によって得られる技術は、将来的には幅広い分野で応用されることが期待されています。具体的な展開としては、国内におけるドローンテストベンチおよび関連ソフトウェアの普及が進む予定です。さらに、ベースとなるソフトウェアの改良も進められます。
出荷前の動作検証も視野に入れ、ハードウェアやソフトウェアの保守を中心にした運用が行われる予定です。また、FFT GYROというドローンテストベンチを標準化し、国内生産体制やサポート体制の確立が目指されています。
会社の取り組み
これらの取り組みは、株式会社東京衡機が行う戦略的投資の一環であり、次世代空モビリティ分野における「試験・シミュレーション」を通して、安全性と信頼性の基盤を支えていく企業を目指しています。
企業概要
株式会社東京衡機
所在地:神奈川県相模原市緑区三井315番地
設立:1923年
事業内容:経営戦略の立案・遂行、グループ子会社の統括管理・サポート
株式会社先端力学シミュレーション研究所
所在地:東京都文京区小石川5-5-5 プライム茗荷谷ビル5F
設立:1999年
事業内容:CAEソフトウェアの開発、受託解析・受託開発等
これらの研究や取り組みは、ドローンの未来を形作り、私たちの日常に新たな価値を提供することでしょう。今後の進展が非常に楽しみです。