アンリツがUSB4® Version 2.0試験ソリューションのハードウェア認証を取得
アンリツ株式会社は2023年、最新のUSB通信規格である「USB4® Version 2.0(USB4 v2)」に対応した試験ソリューションが、標準化団体であるUSB-IFからハードウェア認証を取得したことを発表しました。この認証は、USB4 v2を採用する製品の品質向上と信頼性の確保に大いに寄与するものと期待されています。
USB4 v2の特長
USB4 v2は、2025年11月に最も新しいUSB規格として登場します。従来のUSB4 v1が提供する最大速度40 Gbit/sの2倍となる最大80 Gbit/sのデータ転送速度を実現しています。これにより、高解像度の映像伝送や外付けGPU、高速ストレージ、さらにはVR/AR機器に対応できるようになりました。
アンリツのシグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aは、USBデバイスの性能評価を行うための重要な機器です。これにより、次世代の高速インターフェースが密接に結びつくことで、産業全体のデジタル化が進むことが期待されています。
技術的進化
USB4 v2は、通信性能と信頼性を大幅に向上させるために、いくつかの新しい技術を導入しています。その一つが、3値信号方式「PAM3」です。これにより、帯域効率が大幅に改善されます。また、リンクトレーニングの安定性を向上させるための「Frequency Variation Profile」や、クロック切り替えを含む新しいトレーニングシーケンス「TS2.CLKSW」も新たに加わりました。これらの進歩は、信号品質と通信開始時の調整手順を最適化し、高性能が求められるアプリケーションへの対応を強化します。
今後の展望
現在、USB4 v2に対応するコントロールICなどを製造している半導体メーカーからの評価と認証試験の需要が主流となっています。将来的には、テストハウスでの試験装置の導入が進むことで、半導体メーカーだけでなく、USB4 v2に対応したハブやドッキングステーション、ケーブルなどを開発・製造するコンシューマー製品メーカーからの需要も増加する見込みです。
シグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aの特徴
MP1900Aは、高速インターフェースのレシーバテストを行うための高性能的なBit Error Rate Tester(BERT)です。PCIeやUSB、Thunderbolt、DisplayPort、さらには400 GbE/800 GbEなど、多岐にわたるインターフェースに対応しています。また、業界最高レベルの高品質波形PPG、高感度入力ED、そして高精度のジッタ発生源(SJ、RJ、SSC、BUJ)などを搭載しています。さらに、リンクトレーニング機能やLTSSM解析など、幅広い機能を有しているため、次世代の通信としての需要にも十分応えることができるでしょう。
アンリツの試験ソリューションがもたらす新たな可能性に、多くの業界関係者が注目しています。今後の展開に期待が高まります。