堀文子のデカルコマニー展
2025-05-22 12:33:22

孤高の日本画家・堀文子の実験的作品展「デカルコマニー展」開催

展覧会概要



2025年の幕開けに合わせて、銀座のナカジマアートで、堀文子のデカルコマニー作品に注目した展覧会が開催されます。この展覧会は、開廊30周年を祝うイベントの一環で、1960年代に制作された代表作や未発表作品、さらには書籍の挿絵など、堀の新たな一面を紹介する貴重な機会です。

堀文子の道のり



堀文子は1918年に東京・麹町平河町で生まれ、女子美術専門学校(現・女子美術大学)を卒業後、戦後の日本画界において革新的な活動を展開しました。1940年代から1950年代にかけて、新美術人協会や創造美術、新制作協会日本画部、創画会といったグループで創造活動に邁進し、1952年には第2回上村松園賞を受賞しました。

堀のキャリアの中で、特筆すべきは1961年から約2年にわたる海外放浪の旅です。この旅からもたらされた感覚や体験は、その後の作品に強く影響を与えました。旅の途中、最愛の夫を亡くすという重大な喪失を抱えながらも、堀はその経験をテーマに絵を描き続けました。彼女の作品は、時代と共に変化し続け、特に1960年代のデカルコマニー技法による作品群が、その中でも特異な存在感を放っています。

デカルコマニー技法の魅力



デカルコマニーは、紙の間に絵の具を挟み、圧力をかけることで偶然生まれる模様を利用した技法です。この表現方法によって、堀文子は自身の内面の動きや感情を映し出すことに成功しました。彼女は「自分の内部、人生が絵になりそうだと思って、やれるならやろうと決心した」と語っており、その結果として生み出された作品は観る人に深い印象を残します。

数多くのデカルコマニー作品は、1965年に開催された彼女の初個展「堀文子作品展」に出品されました。当時、彼女はこれらの作品が「明らかに売れない」と自己評価し、多くの作品が長い間アトリエに保管されることとなりました。

本展では、その初個展に出品された作品に加え、未発表作や書籍の挿絵に使われた作品も展示される予定です。観覧者は堀文子の知られざる一面を楽しむことができるでしょう。

展示詳細



  • - 展覧会名: 開廊30周年記念 part.1「堀文子のデカルコマニー」
  • - 会期: 2025年5月29日(木)~6月18日(水)
  • - 営業時間: 月~金 11:00~18:30、土 11:00~17:00
  • - 休廊日: 日・祝
  • - 会場: ナカジマアート(東京都中央区銀座5-5-9 アベビル3階)
  • - 入場料: 無料

体験教室



また、展覧会期間中には「デカルコマニー 体験教室」も開催されます。堀文子が夢中になった技法を体験できる機会をぜひお見逃しなく。

  • - 開催日時: 6月13日(金)・14日(土)各日 13:00~15:00
  • - 参加費: ¥1,500(税込)
  • - 定員: 各回6名
  • - 申込方法: 5月29日(木)より、TELまたはE-mailで受付

おわりに



堀文子の作品は、彼女自身の豊かな人生経験に根ざしたものであり、その表現は今もなお多くの人々に感動を与えています。本展は、堀文子の画業の核心に迫るまたとない機会です。ぜひご参加ください。


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