食品ロス削減の新たな試み「ロスパンの教科書」とは？

合同会社クアッガが運営するパンの通販サイト、rebakeが2024年2月に発行した「ロスパンの教科書」が、今注目を集めています。このガイドブックは、パン屋の店頭で売れ残り、廃棄処分される「ロスパン」に関する情報を提供するものです。全国のパン屋の多くが登録しているrebakeは、食品ロス削減に向けて強い意識を持つ業者を支えており、その一環としてこの書籍の制作に取り組みました。

ロスパンとは何か？

ロスパンとは、主にパン屋の店頭で売れ残り、廃棄されることが懸念されるパンを指します。パンの製造過程や販売状況によっては、思わぬ数量が売れ残ることがあります。この問題を解決するため、rebakeはパン屋の協力を得て、ロスパンを扱い、それを利用した消費者にも届ける仕組みを提供しています。

ロスパンの教科書の内容

「ロスパンの教科書」では、売れ残る理由や廃棄の現状について詳しく解説されています。rebakeの調査によると、パン業界の93%の店舗が食品ロス削減に向けた意識を持つ一方で、「ロスパン」について積極的に声を上げることがまだ足りない現状があります。この書籍は、製造側と消費者の誤解を解き、ロスパンの問題に対する理解を深めてもらうことを目的としています。

配布と反響

2024年2月から1年間で合計1万部が配布され、消費者からの関心も寄せられています。パン屋さんの店頭やイベント、教育機関などを通じて広まり、ロスパンの意識向上を図る取り組みとして高く評価されています。また、2025年5月には第2刷が完成し、さらに多くの消費者に向けて配布される予定です。

協力者たち

この取り組みには多くのパン屋さんや企業からの協賛も受けており、全国から賛同を得ています。そうした協賛者の中には、食品ロス削減に積極的な店舗や、フードロス問題に興味を持つ企業が多数含まれており、彼らの声も書籍に反映されています。特に、ロスパンを問題視し、その理解を広めることを願うパン屋さんの声には、商品の背景にあるストーリーを知ってもらう重要性が込められています。

これからの展望

rebakeは、ロスパンの教科書を通じて、パン屋と消費者との新たな関係構築を期待しています。両者の間に「もったいない」という意識が共有されることで、食品ロスの問題に対する具体的な行動が促進され、社会全体での取り組みが進展すると信じています。特に、生活者がパンの購入や消費の際に作り手の心情や努力を考えるきっかけを提供し、持続可能な食文化が育まれる志向が重要視されています。