いも類の魅力発見!じゃがいも管理と未来への取り組み
2025年5月、横浜国立大学にて開催された日本家政学会第77回大会で、ケンコーマヨネーズ株式会社が主催したランチョンセミナー『これは知らなかった!!いも類の不思議な世界』が注目を集めました。このセミナーでは、じゃがいもの安全性や品質管理、さらには今後の品種活用について詳しく議論されました。
セミナーの背景と目的
最近、いも類は日本の食卓に欠かせない存在であり、特にじゃがいもは多くの料理に利用されています。そこで、ケンコーマヨネーズは企業の社会貢献の一環として、じゃがいもの理解促進と情報発信に力を入れています。セミナーには約80名の大学関係者が参加し、じゃがいもに関する基礎知識から最新の研究成果までがクイズ形式で紹介されました。
じゃがいもの貯蔵特性
じゃがいもは収穫後に貯蔵される期間中、ショ糖やブドウ糖などの糖分が増加していくことが分かっています。特に「男爵」や「さやか」といった品種は、春から初夏にかけて糖分が高くなる傾向があります。一方で、貯蔵末期になると芽が動き始め、呼吸作用が活発になるため糖分が減少する場合もあることが強調されました。このような変化は、最終的な製品の食感や色調に大きな影響を与えます。
グリコアルカロイドの安全対策
次に、じゃがいもに含まれるグリコアルカロイド、特にソラニンやチャコニンについても触れられました。これらの物質は芽や緑化した表皮に多く含まれ、食中毒の原因になる可能性があるため、発芽や光による緑化が濃度上昇の要因であることが説明されました。ケンコーマヨネーズは、原料段階でのリスク評価や継続的なチェック体制の強化に努め、安全管理を徹底しています。
国内品種の活用と今後の展望
国内では、じゃがいもの登録品種が年々変化しています。令和元年には85品種、令和4年には65品種、令和5年には70品種が登録されています。消費者ニーズに対応した品種改良が進められており、特に「さやか」や「ピルカ」といった新しい品種は調理や加工に適した特性を持っています。
また、ジャガイモシストセンチュウによる病害が問題視される中、「さやか」などの抵抗性品種がその有効性を再評価されています。ケンコーマヨネーズでは、これらの品種を積極的に活用しながら、国内品種の重要性を伝える活動も行っています。
未来への取り組み
ケンコーマヨネーズは今後も、じゃがいもの品種特性と貯蔵管理に注力し、病害抵抗性を持つ品種の導入を進める方針です。安全で安心な商品と安定した品質を提供するために、組織体制の整備と品質向上に引き続き努めるとしています。セミナーを通じて、いも類の奥深さと未来への可能性を再認識できる貴重な場となりました。
このように、毎年開催される日本家政学会では食に関する様々な専門分野のプロフェッショナルが集まります。今後も、食に関する新たな知識や取り組み、さらにはその普及に向けた活動が続けられることでしょう。