妊娠を選ぶ新たな時代の幕開け、TL Genomicsの挑戦
企業の挑戦を通じて、妊娠に関する新たな選択肢を提供するTL Genomics。神奈川県藤沢市で活動するこの企業が、特に注目を集めているのは、妊娠力検査「MyエイジF」です。この検査は、女性が自分の妊娠ポテンシャルを早期に把握できることを目的としており、妊娠を運ではなく情報で選択できる未来を目指しています。
妊娠についての気づき
不妊や妊娠に関する悩みは多くの女性が直面する現実です。国立社会保障・人口問題研究所によると、夫婦の約4.4組に1組が不妊検査や治療を経験し、2.5組に1組が「不妊かもしれない」と悩んでいます。しかし、こうした現実の中で、体外受精などの選択肢を知ることができないままに時間が経過してしまう女性が多いのが現状です。
多くの場合、「恐れ」や「経済的な不安」、「痛み」に対する抵抗感から、意識して妊娠に向けた行動をとらないことが多いですが、本当の問題は「必要な情報が不足している」ということなのです。
新しい指標の登場
TL Genomicsは、国立循環器病研究センターと大阪公立大学との共同研究を通じて、30代を中心とした500人の女性のデータを解析しました。その結果、従来のAMH検査だけでは捉えられない「細胞老化」が妊娠ポテンシャルの重要な指標であることが判明しました。この研究は、2026年2月に生殖医学分野の国際学術誌に掲載される予定です。
研究のポイント
この研究で得られた知見は、以下の3つです:
1.
AMHと細胞老化は異なる情報を示す。
AMH値と細胞老化の指標には相関がないことが確認され、個人差は卵子の「数」だけではなく、身体の老化度合いによっても影響を受けることが分かりました。
2.
自然妊娠の成功率は細胞老化が進むほど低下。
年齢ではなく身体の状態が妊娠成功率に影響することが定量的に示されました。
3.
体外受精の場合、細胞老化の影響は少ない。
早期に治療方針を変更することで妊娠ポテンシャルを維持できる可能性も示唆されています。
このように、従来の数値だけでは不十分であることが科学によって明らかにされました。そのため、今現在の身体の状態を知ることが、未来の選択において非常に重要だというメッセージをTL Genomicsは伝えています。
「MyエイジF」の意義
妊活には多くの時間と努力が必要ですが、妊娠力検査「MyエイジF」により、自分の妊娠ポテンシャルを早期に把握することが可能になります。この検査は、血液中のX染色体の変化を用いて細胞老化を測定し、自然妊娠の可能性を可視化するものです。
自己採血キットを用いたこの検査は、税込25,600円で、結果は約10日で到着します。この検査の目的は、「正しい答えを教える」ことではなく、各自の状態に基づいた選択肢を持つことを支援することです。
夢の実現に向けて
TL Genomicsの代表・久保知大は、妻の高リスク妊娠を経験したことで「情報がない状態で時間だけが過ぎる」ことの危険性を痛感し、女性がより適切な選択を行えるよう情報提供の必要性を感じたと言います。
彼らは、「今の自分を知ったうえで選ぶ」社会を目指し、科学と技術を駆使してその実現を目指しています。これにより、今後多くの女性が自らの妊娠の選択肢をしっかりと受け止め、未来に向けた計画を立てていく姿が期待されるでしょう。
妊娠に対する正しい情報の普及を通じて、選択が運や他者に依存することなく、個々の状況に合った選択ができる社会を築いていく。これこそが、TL Genomicsの目指す未来です。