ヘアカラー業界が環境へ挑戦
美容室チェーン「チョキペタ」は、廃棄されていた廃ヘアカラー剤のアルミチューブをリサイクルする新たな取り組みを開始しました。この活動は、株式会社アルテジェネシスのグループ会社である株式会社C&Pが推進し、環境への配慮を重視しています。
リサイクル活動の背景
トレンドセッターの「チョキペタ」は、カットカラー専門店として、日常的に多量のヘアカラー剤を使用しています。その中で発生する使用済みのアルミチューブの扱いが課題となっていました。これまでは廃棄されるしかなかったチューブを再資源化することで、持続可能性をテーマに掲げる美容業界の一助となることを目指しています。
実施の詳細
この取り組みは、株式会社カンノと連携し、2025年10月から本格的に運用を開始します。それに向けて、昨年から約半年にわたり検証を行い、モデル店舗でのサンプル回収プロセスやスタッフの教育方法などを確立しました。588kgものアルミチューブが回収され、実際にリサイクルされる環境に向け、着実に一歩を踏み出しています。
課題と解決策
廃棄されたアルミチューブは、軽量でありながら再資源化が難しい素材です。主な原因は、内容物の残留や臭気、分別の手間などが多く、一般の美容室では事業系廃棄物として処理されていることが多いのです。これを解決するため、「チョキペタ」では、分別から回収、再資源化までのフローを一つのシステムとして整備しました。具体的には、スタッフによる事前の残留物の除去、外袋の封入、段ボールでの運搬などを行います。これにより、実際にリサイクルされる可能性が高い状態で廃材を集めることが可能になり、効率的にリサイクルに回すことを目指しています。
従業員の意識と調査データ
「チョキペタ」は、美容師やアイスタイリストの意識向上にも力を入れています。2025年4月には「SDGsに関する意識調査」を実施し、多くのスタッフが環境への配慮の重要性を感じていることが確認されました。ただし、具体的な行動に移すには情報が不足しているという結果も出てきており、これを受けて「チョキペタ」ではボトムアップの方法を模索し、現場で実際にどのように行動できるのかを検討しています。
未来に向けた展望
「チョキペタ」は、今回の取り組みを成功に導きながら、他のブランドへの展開を視野に入れています。また、これを機に美容業界全体でのリサイクル活動を広げていくことも重要なビジョンとして掲げています。今後は広範囲な美容団体やメーカーに連携を呼びかけ、アルミチューブリサイクルの流れを業界全体で確立したいとしています。
まとめ
この新たなリサイクルの取り組みは、リサイクルが難しいとされてきたアルミチューブという分野において、持続可能な資源循環の実現へと繋がります。美容業界が未来に何を残すか、どのように環境改善を進めていくかが、大きなテーマとなるでしょう。「チョキペタ」の取り組みが一つの起点となり、さらなる広がりを見せることを期待しています。