妊娠成功率における細胞老化の影響を科学的に探る研究
2月19日、株式会社TL Genomics(ティーエル ジェノミクス)が、国立循環器病研究センターと共同で進めた研究成果が生殖医学の国際雑誌『Reproductive BioMedicine Online』に掲載されました。この研究は、同社が提供する妊娠力検査「MyエイジF」に関連しており、特に晩婚化が進む現代において不妊治療を受ける夫婦が増加している背景を受けています。実際、国のデータによると、不妊治療を経験する夫婦は約4.4組に1組に達しており、実に多くの人々が妊娠に苦労していることがわかります。
社会的な課題
従来の妊娠力を評価する方法として用いられていたAMH(抗ミューラー管ホルモン)検査は、卵子の数を測定するものの、妊娠可能性を直接示すものではありませんでした。このため、卵子の数が多くても妊娠できない人がいる一方で、数が少なくても妊娠する人がいるという、妊娠における結果の差をうまく説明できていないのが現状です。そこで、本研究は、妊娠結果に対する細胞の老化状態の影響を調査しました。
研究の内容
大阪公立大学の協力のもと、30代女性を中心に約500名のデータを解析し、妊娠成功率及び細胞老化との関連を検証しました。その結果、次の3つの重要な知見が得られました。
1.
AMH検査との非相関性
AMH値と細胞老化指標には相関が認められず、これまでの妊娠評価方法の限界が裏付けられました。
2.
細胞老化と妊娠成功率の定量的関連
細胞老化の程度が高い女性グループは妊娠成功率が低い傾向があり、年齢ではなく生物学的指標を用いた新たなアプローチが示されました。
3.
体外受精への示唆
細胞老化が進んだ場合でも、体外受精(IVF)の成功率には大きな差がないことが確認され、早期の治療判断が妊娠の可能性を保つために重要であることが示されました。
「MyエイジF」妊娠力検査
この妊娠力検査キット「MyエイジF」は、自宅で行える便利な商品で、クリニックでは「LOX検査」としても提供されています。これにより、女性たちは現在の妊娠力を客観的に把握することができ、妊活のタイミングや治療方法の選択、さらにはキャリアとの両立など、より具体的なライフプランを設計しやすくなりました。
TL Genomicsの代表である久保知大博士は、妊娠に関する自身の経験をもとに、この研究を推進してきました。特に、彼の妻が高リスクの妊娠を経験したことが、研究への強い動機となっています。
今後の展望
国立循環器病研究センター及び大阪公立大学の研究者と連携し、大阪にて記者説明会を開催する予定です。この研究がより多くの人々に知れ渡り、「産みたい人が産める社会」の実現に向けて、さらなる一歩を進められることを期待しています。
会社概要
株式会社TL Genomicsは、神奈川県藤沢市に本社を置き、2015年に設立されました。主に骨髄移植に関する検査や診断薬の開発を行っており、妊娠力検査に関する製品も手掛けています。詳細は
公式サイトでご覧ください。