「SEMICON Japan 2025」に見るキヤノンの最新技術
2025年12月12日から14日まで、東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2025」に、キヤノン及び関連会社のキヤノンアネルバ、キヤノンマシナリーが出展します。この展示会は、半導体産業の最新技術が一堂に会する場であり、キヤノンはそこでの様々な新製品や技術を披露する予定です。
半導体業界の進化とキヤノンの役割
半導体産業は、生成AIの普及を背景に、製造プロセスの一層の進化が求められる状況です。その中で、微細な回路パターンを形成するための前工程技術や、高密度なパッケージングを実現する後工程技術への注目が高まっています。キヤノンブースでは、ナノインプリント技術を活用した新しい装置や、次世代のパッケージングに対応した製品が紹介されます。
具体的な展示内容
キヤノンは、特に注目すべき装置の一つである「FPA-1200NZ2C」を披露します。この装置は、低コストで高精度な微細回路パターンを実現するもので、2023年10月に発売されたばかりです。また、先端パッケージング技術に対応する「FPA-5520iV LF2オプション」も紹介され、これにより後工程の製造プロセスがさらに効率化されることが期待されています。
さらに、キヤノンのMR(Mixed Reality)システム「MREAL」を利用して、半導体露光装置内部の動作を確かめることができる体験も用意されています。これにより、技術への理解を深めながら、実際の動作を観察できる珍しい機会です。
キヤノンアネルバとキヤノンマシナリーの展示
キヤノンアネルバは、「iFデザインアワード2025」で金賞を受賞した「Adastra」シリーズを展示予定です。このシリーズは、幅広い用途に対応した成膜工程用装置で、2024年10月に正式リリースされます。また、ウエハー接合のための「BC7300」も紹介され、さらなる優れた性能を示すものとなるでしょう。
一方、キヤノンマシナリーからは、12インチウエハーに対応したダイボンダー「BESTEM-D610」の実機デモが行われます。この製品は、半導体デバイスやパッケージ基板の製造には欠かせないものです。
環境への取り組み
キヤノンは、持続可能な未来に向けての取り組みも強化しています。2050年までに製品のCO₂排出量をネットゼロにする目標を掲げ、環境負荷を軽減する技術の導入に力を入れています。具体的には、部品の持続可能な管理や仮想化技術を用いた装置の長寿命化、さらにはUV-LED露光オプションによる脱炭素と脱水銀の実現に向けた取り組みも行っています。
展示会の詳細
「SEMICON Japan 2025」の開催は、2025年12月17日(水)から19日(金)まで。時間は毎日10:00から17:00までで、入場は無料ですが事前登録が必要です。キヤノンのブースは南展示棟の1階に位置しています。この機会に、ぜひ最新の半導体技術を体感してみてください。