岡山大学病院とベネッセ、入院中の子どもたちの学び支援に向けた新たな取り組みが始動

岡山大学病院とベネッセが手を結び、長期入院患者の学びを支援

岡山大学病院小児科と株式会社ベネッセコーポレーションが、長期入院を余儀なくされる子どもたちのための教育支援の最適化に向けて、共同研究契約を締結しました。この取り組みは、長期入院中でも学ぶ意欲を保ち、将来の社会復帰を助けることを目的としています。

背景

岡山大学病院小児科には、長期入院を要するむずかしい病気に苦しむ患者が多くいます。ここでは、院内学級が設けられ、子どもたちに学ぶ機会が提供されていますが、個々の学力や治療状況に応じた支援が今まで以上に求められています。この背景を受け、子どもたちの教育的かつ社会的なニーズに応えるための新たな取り組みが始まることとなったのです。

共同研究の内容

本研究では、ベネッセが提供する「進研ゼミ」タブレット教材を活用し、入院中の子どもたちに対して個別の学習支援を行います。教育学部や情報科学の専門家と共同で、学習支援の進捗を追うことで、子どもたちの学びに対する意欲や活気を分析する研究を進めます。これにより、教育の最適なタイミングや方法を確立することを目指しています。

この取り組みは、まさに新しい仕組みを構築する一歩であり、長期入院を余儀なくされる子どもたちにとって重要な意味を持つでしょう。学ぶ権利を尊重し、今の生活を大切にすることが求められています。

研究者のコメント

岡山大学の研究者たちがこの取り組みに対して高い期待を寄せています。小児血液・腫瘍科の助教である石田悠志氏は、医療と教育、テクノロジーが協力し、学びを通して子どもたちの成長を支える仕組みを作ることが重要であると述べています。また、教育の視点を大切にしながら、子どもたちが自分らしく過ごせる環境を整えることが目的であると語ります。

ベネッセの担当者は、自社の理念である『よく生きる』に基づき、学ぶ機会を提供し、子どもたちの可能性を広げることに全力を注ぐと語りました。長期入院中の子どもたちの思いに応えつつ、医療現場の負担軽減にも寄与することを目指しています。

さらに、医療開発領域の教授、塚原宏一氏も、子どもたちが学びの中で自己の可能性を発見する手助けができることを嬉しく思っており、医療と社会をつなぐ新たな価値を創造したいと語っています。

期待される成果

この共同研究を通じて、長期入院が必要な子どもたちが学ぶ権利を守り、彼らの将来に向けた支援体制の充実が期待されています。学びを継続することで、彼らのQOL向上が図られることは間違いありません。教育支援の確立を目指して、岡山大学病院では新たな領域を開いていくことが進行中です。今後の成果にも注目が集まります。