地域住民と外国人が手を取り合う新たな試み
特定非営利活動法人アジア人文文化交流促進協会(JII)は、2025年2月17日から、外国人住民の日常的な困りごとを地域のボランティアがサポートする新たな事業「スポットおとなりさん」を開始します。この取り組みは、外国人住民が抱える生活の課題に対して、地域住民が一時的な支援を提供することを目的としており、従来の公的支援とは異なる形で、「必要なとき」に「必要な支援」を受けられることが大きな特徴です。
「スポットおとなりさん」の背景
JIIでは、2020年に「おとなりさん・ファミリーフレンド・プログラム(OFP)」を導入し、日本人ボランティアが外国人住民と1対1で半年間交流するプログラムが展開されました。OFPの中で、日本で生活する外国人に寄り添い、言語の壁や文化の違いを乗り越えるための支援が行われ、親しい関係を築くことができました。これまでに1400人以上の外国人と日本人が参加し、高い満足度を得てきました。
避難民支援から一般外国人住民への展開
最近の国際情勢の変化を受け、JIIは2022年にウクライナ避難民への支援を開始し、その後アフガニスタンなど他国の避難民支援にも対応してきました。これらの経験が、一般の外国人住民においても多くの課題が存在することを理解するきっかけとなり、「スポットおとなりさん」の立ち上げへとつながりました。2024年12月にはこの新事業に向けて寄付キャンペーンを実施し、多くの支援を得てスタートを切ることができました。
サポートの具体例と内容
「スポットおとなりさん」では、特に生活インフラ、医療、教育、行政手続きに関連した困りごとに対して、手続きのサポートや言語面での支援を提供します。具体的なサポートの例としては、区役所手続きや病院受診の同行、子どもの健診、保育園の入園書類作成、さらには不動産相談への同行が含まれます。サポートは平日および土曜日の午前8時30分から午後6時まで行われ、申し込みはJIIの公式HPから行えます。
スポットおとなりさんの魅力
この事業の最大の魅力は、ボランティアとしての参加が気軽にできることです。1回3時間以内のサポートに参加することで、多くの外国人と関わることができるだけでなく、スキルアップにもつながります。また、JIIがしっかりと本人確認や内容確認を行うため、安心して活動できます。
共に築く多文化共生の未来
JIIの支援活動は、単なる外国人住民のサポートにとどまりません。日本人と外国人が互いに助け合い、学び合いながら共生社会を築くことを目指しています。このプロジェクトは、多様な文化が融合する地域社会を作るための一歩です。
終わりに
「スポットおとなりさん」は、外国人住民が日本社会に溶け込み、より深いつながりを持つための新たなチャンネルを提供するものです。この取り組みを通じて、多くの人々が交流し、共生の未来を共に築いていくことを願っています。